チェルシーのカルロ・アンチェロッティ監督の運命は、もはや決まっているようだ。勝ち点6差の首位マンチェスター・ユナイテッドを追い抜き、プレミアリーグを制覇したとしても、同監督がチェルシーにとどまる可能性はほぼないという。英紙『テレグラフ・スポーツ』が報じている。

同紙によると、「ロマン・アブラモビッチ(オーナー)に近い有力な匿名」の人物が、そのように明かしているそうだ。アブラモビッチ・オーナーは、常にフース・ヒディンク現トルコ代表監督の復帰を願っているという。ただし、ヒディンク監督はすでに何度も、少なくもEURO12予選の結果が分かるまでは、トルコ代表を離れるつもりがないことを強調している。

「匿名の有力な人物」は、「何が起きるかを待ってみよう」と話しているそうだ。この人物によれば、アブラモビッチ・オーナーはリーグ戦終了から2週間後の6月3日(トルコ代表がEURO12予選でバベルギー代表と対戦する日)までは、ヒディンク招へいへ動くのを待つつもりだという。もちろん、トルコ代表が6月の時点でEURO予選敗退となった場合、ヒディンク監督がすぐにチェルシーの指揮官となるかもしれないというわけだ。

アブラモビッチ・オーナーは2年連続で自身が望むチャンピオンズリーグ制覇に失敗している。だからこそ、2009年にシーズン途中にルイス・フェリペ・スコラーリ氏の後を継いでチェルシーでうまくやったヒディンク監督の招へいを考えているのである。

ただし、ヒディンク氏がテクニカルディレクターになるという2つ目の選択肢もあるそうだ。その場合、ベンチに座るのはオーナーのお気に入り(マルコ・ファン・バステン氏やフランク・ライカールト氏)になるという。またアウトサイダーとしては、元チェルシーのジャンフランコ・ゾラ氏、ジョゼ・モウリーニョ現レアル・マドリー監督の愛弟子であるポルトのアンドレ・ビラス=ボアス監督の名前が挙がっている。

では、アンチェロッティ監督はこれからどうするのだろうか? 可能性としては2つだ。一つは、スペインからの呼び掛けに応じるというもの。モウリーニョ監督が退任したり、あるいはイタリアへ復帰することになった場合に、レアルの指揮官になるというわけだ。もしくは、ローマ監督就任の可能性がある。