東京ディズニーランド・ディズニーシーを抱える東京ディズニーリゾート(TDR)に異変が起こっている。公式スポンサーの撤退が相次いでいるのだ。さらに、ショップの売り上げ低迷もここに来て明るみに出て、「夢の国離れ」が加速している。

   日産自動車森永製菓セイコータカラトミー日本水産日本ヒルズ・コルゲートの6社は2006年9月3日、ディズニーリゾートの公式スポンサーの契約をそろって更新しなかった。
   ディズニーリゾートの公式スポンサーともなれば、広告効果を考えて、どこの企業もこぞって取りたいと考えていそうなものだが、実態は違うようだ。なかには、「スプラッシュ・マウンテン」「ウェスタンリバー鉄道」などの有名アトラクションに名を連ねる企業までもがディズニーリゾートから撤退している。スポンサーが入れ替わるのは、ディズニーリゾートでは極めて珍しいといわれるだけに、何だか変だ。

開園以来のスポンサー続々撤退

   契約の更新に至らなかった理由は、

「当初から5年という契約だったので、契約どおり満了に伴い更新しなかった」(森永製菓)
「ブランドイメージの向上という目的でスポンサーになったが、当初の目的を達成したため」(セイコー)
「当初、ブランドの認知を上げるという目的でスポンサーになったが、その甲斐あって日産の認知が上がった。その役割を十分に得られたということで契約満了を区切りにした」(日産)

   などだ。ただ、それ以上のことは答えてもらえなかった。当のディズニーリゾート運営会社オリエンタルランドは、「今年はディズニーシーの開園5周年であることもあり、たまたま重なっただけ」(広報)としている。
   ディズニーリゾートといえば、大人から子供まで認知度も高く、そこでの広告塔の役割ともなれば格好の企業アピールの場所だ。実際、オリエンタルランドは、ディズニーリゾートの公式スポンサーについては1業種1社を原則としているため、競合他社のいない場で広告やPRを独占できる場なのだ。そして、さらに注目すべきことは、撤退する企業のほとんどが、ディズニーランド・ディズニーシーの開園以来のスポンサーだったという点だ。それがなぜ今、撤退なのか?

入園者数は03年ピークに04年、05年と減少

   ひとつの理由として挙げられそうなのは、「ディズニー離れ」が急速に進んでいるということだ。ディズニーランド・ディズニーシーの合計入園者数は03年をピークに04年、05年と前年を20万人以上下回っている。また、オリエンタルランドの子会社が運営するディズニーストアーも客足が遠のいたことや売れ筋商品が少なくなったことなどから売り上げが低迷。06年3月期の売上高は、前期比10%減の約240億円。オリエンタルランドは、企業支援会社に建て直しのための調査・分析の委託を行うことになっている。もはや、数億から数十億とも言われるディズニーリゾートの広告料に見合う効果がないと各企業が判断したとしてもおかしくない。実際に、次のスポンサーも現段階でも決まっていない状態だ。
   オリエンタルランド広報はJ-CASTニュースの取材に対し、

「(次のスポンサーは)交渉中で、まだ発表できる段階にない」

   としている。現在スポンサーのいないアトラクション・施設は11に上る。