名門大が揺れている(共同通信社)

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 婚約中の女性歯科医が、職場の先輩歯科医と性的関係を持った──その恨みから東京医科歯科大歯学部付属病院内に侵入した(別の大学の)医大生が、歯科医の既婚男性を切り付けるという事件が起きたのは昨年5月のことだった(元医大生の被告には、今年9月の2審で懲役7年の実刑判決)。

 病院内での殺人未遂事件という前代未聞の出来事に揺れた同大が、またしても学内での男女の痴情の縺れによるトラブルを抱えているという。舞台となったのは、60年の伝統を誇る同大ボート部で、OBには学部長にまでなった人物もおり、学内での存在感は大きい。

 そこで同大OBでコーチを務める40代の男性開業医と現役学生の間でトラブルが起きた。コーチと親しい人物が明かす。

「2年ほど前、ボート部のA選手が部を辞めると言い出したので、慰留するためにコーチが食事に誘ったものの、仕事で遅れるため代わりに30代半ばの妻を先に行かせたそうです。どうやらその時にLINEを交換していたようで、その後2人で会うようになっていた。

 ところが喧嘩から不倫関係がこじれ、今年9月に妻が夫(コーチ)にAとの関係を打ち明けた。妻は男女関係を持ったことや、Aに高級レストランやブランド服などをねだられて、プレゼントしていたことも告白したのです」

 後輩学生に、妻を“奪われて”いたことを知ったコーチは怒り心頭で、Aが部活を辞め、合宿所も退去することを求めてボート部のOB会に相談。さらに、大学にも強く抗議をしたという。前出・知人が続ける。

「OB会は“昨年の刃傷沙汰のようなことになったらまずい”と慌てて対応したようです。10月中旬にはコーチの病院に、有名OBがAを連れてきて謝罪させた。その場でコーチはその有名OBから“この話は学長まで伝わっていて、Aの(卒業後の)研修は医科歯科大で受け入れられなくなった”と説明を受けたそうです。

 しかし、その時に交わした“Aが両親を連れて謝罪に来る”という約束は果たされないまま。そこでコーチは弁護士を立てて、Aを訴えるそうです」

◆「申し訳ないことをした」

 コーチに経緯を訊いたところ、「事実ですが、それ以上は話せません。訴訟準備に入っていますので」と答えた。一方の学生Aは、不倫関係にあったことを認めたうえでこう話す。

「相手の方(コーチ)には本当に申し訳ないことをしたと思っていますが、400万円ほど請求すると言われていますので、もう学生の自分では手に負えないと思い、弁護士に相談させてもらっています。OB会の中には、裁判沙汰になる前に部内で示談にするほうがいいという人もいらっしゃって、弁護士を立てることはやめたほうがいいとお叱りを受けていますが……」

 このトラブルに関して「大学からの処分などは一切ない」としながら、自身の研修の受け入れがなくなったことは、「“僕が希望しなかった”という形になっています。結果的に、ですけど」と答えた。

 不倫トラブル裁判に詳しい原田和幸弁護士は、こう解説する。

「夫への慰謝料は夫婦が離婚するかしないかで大きく変わります。相場としては、離婚したケースで200万円、離婚しないと100万円程度とされています」

 ただし、学校や会社が介入することについては別の問題が生じる可能性がある。

「昨年、同大で起きた事件のように犯罪行為があったならともかく、不貞行為は民事訴訟の対象ではありますが、犯罪ではない。プライベートな問題で、大学や会社には関係ありません。(不倫された側が)会社や大学に通告すること自体が名誉棄損にあたる可能性もあります」(原田弁護士)

 もっとも、1年前に似たような男女トラブルが大事件に発展しただけに、同大としても放置できないという側面もある。その点について問い合わせると、「現段階では特にコメントすることはありません」(広報係)との回答だった。

※週刊ポスト2018年12月7日号