劇中で役員会議室として登場した学士会館201号室

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驚異的な高視聴率をたたき出したTBS系連続ドラマ「半沢直樹」は終了したが、ブームは続いている。マスメディアは連日「半沢直樹」を取り上げ、関連グッズも売れに売れている。

最終回シーンなどに使われたロケ地を一目見ようと「聖地巡礼」するファンもいて、ちょっとした「狂騒曲」が奏でられている。

日本橋にある居酒屋は10月中旬まで予約で満杯

半沢直樹」は都市銀行に勤める半沢直樹堺雅人)が、支店長の強引な指示のせいで行内での立場が危うくなるが、「倍返し」で復讐するというストーリーだ。最終回の平均視聴率は関東地区で42.2%、関西地区で45.5%を記録し、2000年に放送されたTBS系ドラマ「ビューティフルライフ」最終回の41.3%(関東地区)を抜き、平成の民放ドラマで最高の視聴率となった。

2013年9月25日放送のTBS系「みのもんたの朝ズバッ!」では、半沢直樹フィーバーに沸く様子を特集した。TBSは公式グッズとしてキーホルダーやクリアファイルなどを販売しているが、中でも人気なのが半沢のセリフをもじった「倍返し饅頭」(9個入り、840円)だ。パッケージは半沢の名刺をイメージしたデザインで、中身のまんじゅうには「倍返し」の焼印が入っている。

連日売り切れが続くほどで、TBSストアの店長は「朝ズバッ!」の取材に対し、「昨日は開店30分ぐらいでなくなった」と笑顔で答えていた。

また、ファンが「半沢直樹」のロケ地を訪れるようになった。東京・日本橋にある居酒屋「おさかな本舗 たいこ茶屋」も「聖地」の1つで、第6話で半沢が京橋支店の融資課長代理を追い詰めたシーンに使われた店だ。

とりわけ半沢らが座った席が人気となり、すでに10月中旬まで予約で埋まっている。ドラマの中に登場したメニューを集めた「半沢セット」(2200円)も、1日20〜30ほど売れて好評だという。訪れるファンの中には「倍返しだー!」と盛り上がる客もいる、と番組中で同店店長が話していた。

長崎や福岡から訪れたファンも

さらに、最終回で香川照之さん演じる大和田常務が、半沢に土下座させられた場所にファンが殺到している。その場所とは、東京・千代田区にある学士会館だ。201号室が会議室として劇中に登場した。

J-CASTニュースの取材に対して学士会館の広報担当・有江治子さんは、「これまでにないほど多くの人が立て続けにいらっしゃっています。基本的に人数はかぞえていませんが、24日は100人近くいたかもしれない」と話す。長崎や福岡から訪れたファンもいた。土下座シーンの撮影があった位置を聞かれることが多いそうだ。

1928年に開業した学士会館は、昭和初期の雰囲気を色濃く残しており、映画「SP」などの撮影現場にもなるなど年間50本以上撮影があるが、これほど多くの人が訪れることはなかったという。「『SP』のファンは20〜40代の女性がメインですが、『半沢直樹』のファンは幅広く、高齢の方もいらっしゃいます」。

ネットでも学士会館を訪れた人による感想が書き込まれ、

「半沢ロケ地の学士会館に行ったよ」「初めて学士会館でごはん食べたんだけど、最新話でそのご飯食べたところの近くの階段を半沢が歩いたり、とまりんと半沢が階段の下に隠れたりしてて、なんか不思議な気持ちになった」

といった報告があがっている。

同館ではこうした『半沢直樹』人気を受け、ドラマのシーンを再現した201号室で、フルコース料理を「重役気分」で味わえる「倍返しだ!お食事付き見学会」を、メールマガジン登録者対象(抽選で10組20人)に開催予定だという。