世界最大の太陽熱発電所:ギャラリー

写真拡大


アイヴァンパ太陽熱発電所は3つの施設(フィールド)を持つが、そのうちのひとつ「Solar Field One」を上から見たところ。多数のヘリオスタット(2枚1組の鏡)がとりまく中心に集光タワーが設置されている。2012年10月27日撮影。

「世界最大の太陽熱発電所:ギャラリー」の写真・リンク付きの記事はこちら



カリフォルニア州南部のモハーヴェ砂漠では、巨大な太陽熱発電施設「アイヴァンパ太陽熱発電所」(Ivanpah Solar Electric Generating System:ISEGS)が建設されている。



この施設は、グーグル、NRG Energy社、そしてBrightSource Energy社が資金を出しているもので、2013年に完成すれば世界最大の太陽熱発電所(日本語版記事)となる。太陽の熱エネルギーを1カ所に集中させて蒸気を作ることで、一般家庭14万世帯分の電力をまかなえるという



ただし、ひとつ問題がある。ISEGSの建設場所が、絶滅危惧種である砂漠ガメの生息地のど真ん中に当たるということだ。そのため、建設に関わる企業は、この生物の保護と新しい定住先探しのために、すでに5億6000万ドルを費やさざるをえなくなった



大規模な産業施設を舞台にした自然と人間の活動の交差をテーマとしている写真家ジェイミー・スティリングズは、ISEGSの建設が始まったときから撮影を続けてきた。この巨大な施設がどのように建設されてきたか、ギャラリーで紹介しよう。









2010年10月15日、建設が始まる前の現場。




スティリングズ氏は、「再生エネルギー施設の建設をめぐる問題は、思っていたよりもずっと複雑であることがわかった」と述べている。



グーグル、NRG Energy社とともに発電所建設プロジェクトを進めるBrightSource Energy社の広報担当者、クリスティン・ハンターは、このプロジェクトでは環境への影響にも十分配慮してきた、と述べる。まっさらな自然環境ではなく、近隣に州間道路やゴルフ場などが建設されてきた場所だとも、ハンター氏は強調した。



環境保護団体シエラクラブのバーバラ・ボイルは、ハンター氏の意見に反対で、もっと環境へのインパクトが少ない場所を選べたはずだと述べている









2011年1月14日撮影。「Solar Field One」の基礎工事。背景にクラーク山が見える。










2011年4月21日撮影。背景に、アイヴァンパ乾湖(Ivanpah Dry Lake Bed)と州間高速道路15号線が見える。




スティリングズ氏は、地上施設へのアクセスが制限されていたため、多くの写真をヘリコプターから撮影した。そのことで、かえってこの施設の全容がとらえられている。









2012年1月6日撮影。Solar Field Oneにヘリオスタットを設置開始。










2012年1月6日撮影。Solar Field Oneに取り付けられたヘリオスタットと、隣接する扇状地の手つかずな砂漠地帯をより詳しく見ることができる。










2012年6月4日撮影。パイロンにヘリオスタットを設置する作業員(鏡面に山が映り込んでいる)。




※BrightSource社は、太陽熱発電業界のリーダーとして1980年代からこの発電方式に取り組んできた。ISEGSは、同社が2009年にカリフォルニア州の電力会社Southern California Edison社との間に結んだ7つの契約のうちのひとつ。7つすべてが稼働すると、サンフランシスコの世帯数を超える845,000世帯に電力を供給できるようになるとされている(日本語版記事)。









2012年6月5日撮影。自動車レース場のコースが刻まれたアイヴァンパ乾湖と州間高速道路15号線、プリムヴァレー・ゴルフクラブ、そして遠くにアイヴァンパ太陽熱発電所が見える。













2012年10月27日撮影。アイヴァンパ太陽熱発電所を北側から見たところ。3つの太陽熱発電フィールドを全て見ることができる。手前のSolar Field Oneは、ヘリオスタットの取り付けが完了している。



※この翻訳は抄訳です。




【関連記事】
iOS機器でTVを視聴できるシステム
最古の電子計算機が再起動:動画
332カ月連続で平均を上回る全球気温
無線IDチップの着用を拒否した公立高校生徒が停学処分
火星の土に有機物か:「歴史的な分析結果」発表へ