寿美花代さん死去 乗り越えた新婚時代の悲劇 最期まで貫いた家族愛
元宝塚歌劇団星組トップスターで女優の寿美花代(すみ・はなよ、本名郄嶋節子=たかしま・せつこ)さんが3日、老衰のため死去した。94歳。兵庫県出身。葬儀は6日午前、都内の斎場で家族葬で執り行われた。
寿美さんは家族愛にあふれていた。夫は俳優の故高島忠夫さん(2019年6月死去、享年88)とは芸能界屈指のおしどり夫婦として知られ「夫婦げんかをしたことがない」と公言するほどだった。出会いは宝塚歌劇団に在団中の1961年で、出演していたテレビ番組のゲストに来た忠夫さんに一目ぼれしたことから交際が始まり、寿美さんからプロポーズして1963年に結婚した。
1998年に忠夫さんが重度のうつ病を発症すると、寿美さんは芸能活動を控えて献身的に介護に努めた。「きょうも男前やね!」と声をかけながら頭をブラッシングしたり、ひげをそったりして寄り添った。その後、忠夫さんはパーキンソン病や不整脈を患い、寿美さんの介護は長期に及んだが、周囲には「介護は苦ではなかった」と笑顔で振り返っていた。
俳優の郄嶋政宏(59)と政伸(58)兄弟の母としても知られ、息子への愛も大きかった。2人が生まれる前の1964年、悲劇が襲った。生後5カ月だった長男が住み込みの家政婦に湯船に沈められ殺害されるショッキングな事件があった。寿美さんはその時のつらい思いから浴槽に入れず、シャワーで済ませていることを明かしていた。そして知人らに「あの子のことを忘れたことなどない」と涙ぐみながら話したこともあったという。
忠夫さんとともに悲劇を乗り越え、政宏、政伸と明るい「高島ファミリー」として日本中に笑顔を届けた寿美さん。愛した家族に見送られ旅立った。

