「可能性15%」でも消えない鈴木誠也のトレード説――デッドラインを前に交差する各球団の思惑

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「右の強打の外野手」を求める球団は多い。果たして鈴木の去就は…(C)Getty Images

 トレード・デッドライン(米東部時間8月3日午後6時)まで2週間を切った。各球団の思惑が交差し、さまざまな憶測がメディアを賑わせる中、鈴木誠也カブス)にもトレードの噂が出ている。

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 7月20日(現地時間)終了時点で、カブスは56勝44敗でナショナル・リーグ中地区2位、ワイルドカード1位とプレーオフ圏内にいる。そんなチームが打線の中軸を担う主力打者を放出するとはにわかには考えにくい。実際にトレードに出される可能性は、少なくとも現時点では決して高くはないだろう。ちなみに、7月上旬に『ESPN』が発表したトレード候補ランキングでは鈴木は13位、トレード成立の可能性は「15%」となっている。

 だが同時に、まったくの絵空事ともいえないことも事実だ。

 現在、カブスは投手陣に故障者が続出しており、先発・ブルペンともに層が薄い。また、支配力のある投手が不足している点も悩みで、チーム全体の奪三振率7.88はリーグ11位、被本塁打率1.56は同ワースト。現状の布陣では、何とかレギュラーシーズンを乗り切ったとしてもプレーオフで勝ち抜くのは難しい状況だ。

 一方、フィリーズ、マリナーズ、パドレス、レイズのように外野陣の攻撃力不足に苦しんでいるコンテンダーも少なくない。マリナーズとレイズは先発投手陣、パドレスはリリーフ陣が充実しており、お互いの弱点を補い合うようなトレードが成立しても決して不思議はない。

 実際、現地メディアからはメジャー通算87勝を誇るマリナーズのベテラン右腕ルイス・カスティーヨと鈴木を軸とした交換トレードを提案する声もある。外野陣の攻撃力強化へのモチベーションが高いのはフィリーズ。カブスの補強ポイントである投手陣でトレード要員になりそうな選手は特に見当たらないが、それでも「第3のチーム」を巻き込んで三角トレードを仕掛けることも考えられる。

 球界全体で「右の強打の外野手」が希少価値になっていることも、トレード説の裏付けの一つとなっている。ジェド・ホイヤー編成総責任者が「機を見るに敏」とばかりに鈴木放出に動けば、普段よりも有利な取引をまとめられるはず、というわけだ。一方で、鈴木は全29球団に対するトレード拒否権を持っており、球団間の交渉で合意に達しても、本人の意向で移籍が流れる可能性も十分にある。

 上述したように、「現時点で」鈴木のトレードが実現する可能性は低い。だが、まったく予想外の選手が急転直下、トレードされることも珍しくないのがメジャーリーグだ。「買い手」と「売り手」、そして移籍市場の状況は刻一刻と変化する。鈴木の動向も、アメリカ東部時間の8月3日午後6時のトレード期限ギリギリまで予断を許さない。

[文:久保田市郎]