心と家計にゆとりを生む料理の工夫をご紹介します。料理研究家でダイエットカウンセラーのおにゃさん(40代)は、この10年間で、節約を意識した献立づくりや、料理の品数にこだわることをやめたそう。すると料理の手間が減り、以前よりもかえって節約につながっているといいます。理由を詳しく伺いました。

1:「底値を追いかける節約」をやめた

現在、埼玉県の一軒家で、45歳の夫、12歳の長女、7歳の長男と4人で暮らしています。

以前の私は、スーパーのハシゴは当たり前。10円でも安い卵や納豆を求め、隣町の店まで自転車を走らせていました。

しかし、あるとき、家計の数字を冷静に見つめ直して愕然(がくぜん)としました。「あんなに駆けずり回って数十円を浮かせているのに、支出はちっとも減っていない」と気づいたからです。

その原因は「余計な出費」。常に「損をしたくない」という気持ちが強すぎて、逆に「安いから今のうちに」と、本来必要のないものまでカゴに入れていたのです。結局、浮かせた小銭以上の金額を、予定外の買い物で使っていたのです。

それに気づいてからは、「底値」ではなく「自分のなかの定番価格」を決めました。「この店でこの価格なら買う」とルールを固定したことで、ムダな買い物が減り、管理がぐっとラクになりました。

2:「品数への執着」をやめた

料理研究家という仕事柄、「食卓には主菜、副菜3品、汁物がそろっているべき」という思い込みがありました。家族のために、安くて栄養のあるものをたくさん並べなければと、毎日キッチンに立ち続けていたのです。

しかし、品数を増やそうとすれば食材の種類も増え、在庫管理が複雑になります。結局、使いきれない食材や調味料を増やすだけで、家計にムダを生んでいました。

現在は、「主菜、副菜、汁物」の3品を基本にし、仕事でクタクタな日は「具だくさんの汁物と主菜だけ」でOKにしています。状況に合わせて臨機応変に考えることが、最大の転換点でした。

“品数”への執着を手放したことで食材を使いきるサイクルが整い、労力も大幅にカット。かつてのイライラがなくなり、家族と笑顔で食卓を囲めるようになったこと。これこそが、なにものにも代えがたいゆとりだと感じています。

手放して見つけた、本当の「豊かさ」

以前は節約のために無理な我慢を重ね、そのストレスを解消するために、また別の場所でドカンとお金を使っていました。節約の憂さ晴らしに「たまにはいいよね」とお酒をたくさん飲んで散財したり、セールの際に「今のうちに!」と大量買いをしたり…。数十円を浮かせても、ストレスによる「お疲れ様代」で数千円を使ってしまっては、家計管理としては失敗ですよね。今は無理なハシゴも過剰な品数もやめたことで心に余裕ができ、「衝動的なムダ遣い」も自然になくなりました。

できた心の余白で、今は趣味の書道をたしなんだり、家族との時間を楽しんだりしています。今の私にとっての正解は、無理のない範囲で家計と向き合い、毎日を心地よく過ごすこと。必死な節約を手放したことで、皮肉なことに、当時よりもずっと健全で安定した家計管理ができるようになったのだと感じています。