強国との戦い、連覇の重圧の中で貴重な経験。U-16日本代表が3発逆転でU-16インターナショナルドリームカップ初戦を制す!
[6.3 U-16IND CUP第1節 U-16日本代表 3-2 U-16コートジボワール代表 J ヴィレッジ全天候型練習場]
U-16日本代表、U-16コートジボワール代表、U-16アルゼンチン代表、U-16フランス代表が1回戦総当りのリーグ戦で優勝を争う「U-16インターナショナルドリームカップ 2026 JAPAN」が3日、福島県のJヴィレッジで開幕した。大会5連覇中の日本は初戦でコートジボワールと対戦し、3-2で逆転勝ち。5日の第2節でフランスと戦う。
今大会は全試合がJヴィレッジスタジアムで開催される予定だったが、台風6号の接近による荒天を考慮し、1日目の会場をJヴィレッジ全天候型練習場へ移して無観客試合として開催された。日本対コートジボワール戦の試合開始時間も当初の15時開始から16時開始へ変更。大会関係者たちの尽力で開催された一戦で、日本は見事な逆転勝ちを飾った。
日本の先発は、GKがゲーム主将のシュルツ建斗(鹿島ユース)で右から對馬羽琉(川崎F U-18)、上野煌士郎(川崎F U-15生田)、藤田勇雅(千葉U-18)の3バック。中盤は花元誉絆(神戸U-18)と深谷朔共(名古屋U-18)のダブルボランチで右WB進藤新大(柏U-18)、左WB鮫島充輝(名古屋U-18)、そして前線は八色隼人(名古屋U-18)を頂点に、右に高田憲慎(帝京大可児高)、左に梶山蓮翔(FC東京U-18)が構えた。
立ち上がり、日本は對馬、上野、藤田の3バックが出足の速い守備。5分にはこの日正確な左足フィードを見せた上野の展開から、鮫島が縦に仕掛けてクロスを上げ切る。また、藤田の左足キックなど大きな展開やセットプレーを交えて攻め、切り替えの速い守備から花元がスライディグタックルで奪い返すシーンも。日本は相手のビルドアップに対して前から制限を掛けながら守っていたが、わずかに判断、出足が遅れるとコートジボワールのスピード、強さに剥がされて前進を許してしまう。
日本は攻撃面でもDFラインから繋ぎ、ダイレクトプレーでスピードアップしようとしたが、アプローチの鋭い相手に捕まってしまう。その中で日本は高田がスペースへの動きからDF前へ強引に潜り込もうとしたほか、速攻から八色がフィニッシュ。だが、29分、左サイドでインターセプトされると、相手FWコニアン・クアク・クリスト(ベルシス)の高速ドリブルを止められずにゴール前まで持ち込まれて先制された。
日本は鮫島、進藤の両ワイドからのクロスで反撃。40分には進藤の右アーリークロスから八色の放ったヘッドがクロスバーを叩く。さらにこぼれ球に八色が反応するも枠外。逆に43分、サイドから押し込まれるとFWノント・アダム(スタッド・レンヌ)に決められ、2点ビハインドで前半を終えた。
ただし、廣山望監督は、「前半の終わりのところの様子を見ていて、このまま行ける」という感覚を持っていたという。前半は身体能力の高い相手を警戒し過ぎて後手に。だが、失点して前に出なければならなくなったところで攻守に積極性が出て「選手の個々の力をしっかり出せるようなプレーが見えた」。巻き返そうとする姿勢も見られたことから、指揮官は後半も同じ11人をピッチに送り出した。
日本は立ち上がりから連続でゴール前のシーンを創出。すると4分、自陣の深谷から対角のフィードが右中間の八色へ通る。そして、八色がドリブルで中央まで運んで左へ展開。最後は梶山がカットインから鮮やかな右足シュートをファーサイドのネットへ突き刺した。
1点差とした日本は16分、對馬が負傷したタイミングで3枚替えを敢行。對馬と花元、八色をDF大垣徹平(清水ユース)とFW三井寺眞(横浜FM)、FW迫田凌和(大宮U18)へ交代し、梶山をボランチへ落とした。
21分には積極的な姿勢を見せる大垣の右クロスから高田が右足シュート。直後には三井寺が自陣からスピードに乗ったドリブルで敵陣PAまでボールを運んでゴールを狙う。また、深谷や梶山が中盤の競り合いで健闘。日本は26分に鮫島、八色を左WB伊藤航(FC東京U-18)とFWオツコロ海桜(昌平高)へ入れ替えると、直後に同点ゴールを奪った。
29分、梶山のループパスを起点に、右の三井寺がDF間へ割って入り、さらに1人、2人とマークを外して左へパスを繋ぐ。これを伊藤がPA角から1タッチでゴール右隅へ流し込み、2-2とした。
この後、相手のサイド攻撃からシュートに持ち込まれたものの、勢いは日本。32分に注目アタッカーのスーパーゴールで逆転した。日本は守備範囲広く守っていた上野のインターセプトから、三井寺が敵陣中央でターン。すると、DFの股間を通すドリブルで一気にPAへ抜け出す。最後は左足シュートをGKに触られながらもねじ込み、歓喜を爆発させた。
日本はさらにオツコロの落としから迫田がゴールを狙うなど4点目を目指す。ただ終盤は攻撃がやや雑になってしまった面も。また、コートジボワールにセカンドボールの回収で上回れると、推進力のある攻撃を食い止められずにゴール前まで持ち込まれた。
だが、43分にFWディアラスバ・アバス・リュク(ビジャレアル)の決定的な一撃をGKシュルツが抜群の反応から右手ワンハンドでビッグセーブ。日本は44分に進藤と右WB渡部直宏(東京Vユース)を交代して試合を締めに行く。アディショナルタイムには再びピンチを迎えたが、GKシュルツが頭上へのシュートに反応してストップ。このまま逃げ切り、6連覇へ向けて白星スタートを切った。
初戦で戦ったコートジボワールは後半に運動量が低下したものの、日本は相手に「力を引き出してもらって」(廣山監督)逆転勝ち。来年のU17アジアカップ、U-17ワールドカップへ向けて貴重な一戦となった。日本はこの後、フランス、アルゼンチンという強国との試合が控えている。
廣山監督は「ワールドカップレベルの相手と真剣勝負できるっていう機会はなかなかないので、ここで結果を出すことがワールドカップで自信持って戦うことに繋がる。これは前回もそうだったんですけど、アジアカップ、ワールドカップでいいプレーするには(力が)足りない状態ですけど、そのきっかけになるかなと思います」と語った。
インターナショナルドリームカップではフランスやオランダ、メキシコなど毎年のように世界の強国と対戦しているが、日本は現在5連覇中。廣山監督は「(連覇しなければならないという)そのプレッシャーで大会を戦う経験っていうのは選手を凄く成長させるから、やっぱ簡単にそれを逃しちゃいけないっていう思いが監督としてありますし、選手も今日勝ったことで、現実的に『連覇したい』『優勝しようぜ』って言葉を言ってましたから。ありがたい引き継ぎだと思うんで、是非、次に引き継げるようにしたいなと思います」と意気込んだ。
また、シュルツも「(残り2試合、)チーム全体で2勝して、この大会を優勝できるようにして、最後みんなで笑顔で終われるようにしたいです」。1世代上のU-17日本代表が5月のU17アジアカップで2大会ぶりのアジア制覇。来年、アジア連覇に挑戦するU-16日本代表が、インターナショナルドリームカップで重圧を乗り越え、連覇の経験をする。
(取材・文 吉田太郎)
U-16日本代表、U-16コートジボワール代表、U-16アルゼンチン代表、U-16フランス代表が1回戦総当りのリーグ戦で優勝を争う「U-16インターナショナルドリームカップ 2026 JAPAN」が3日、福島県のJヴィレッジで開幕した。大会5連覇中の日本は初戦でコートジボワールと対戦し、3-2で逆転勝ち。5日の第2節でフランスと戦う。
日本の先発は、GKがゲーム主将のシュルツ建斗(鹿島ユース)で右から對馬羽琉(川崎F U-18)、上野煌士郎(川崎F U-15生田)、藤田勇雅(千葉U-18)の3バック。中盤は花元誉絆(神戸U-18)と深谷朔共(名古屋U-18)のダブルボランチで右WB進藤新大(柏U-18)、左WB鮫島充輝(名古屋U-18)、そして前線は八色隼人(名古屋U-18)を頂点に、右に高田憲慎(帝京大可児高)、左に梶山蓮翔(FC東京U-18)が構えた。
2010年生まれ世代のU-16日本代表
初戦の対戦相手はコートジボワール。身体能力の高さに苦戦した
立ち上がり、日本は對馬、上野、藤田の3バックが出足の速い守備。5分にはこの日正確な左足フィードを見せた上野の展開から、鮫島が縦に仕掛けてクロスを上げ切る。また、藤田の左足キックなど大きな展開やセットプレーを交えて攻め、切り替えの速い守備から花元がスライディグタックルで奪い返すシーンも。日本は相手のビルドアップに対して前から制限を掛けながら守っていたが、わずかに判断、出足が遅れるとコートジボワールのスピード、強さに剥がされて前進を許してしまう。
日本は攻撃面でもDFラインから繋ぎ、ダイレクトプレーでスピードアップしようとしたが、アプローチの鋭い相手に捕まってしまう。その中で日本は高田がスペースへの動きからDF前へ強引に潜り込もうとしたほか、速攻から八色がフィニッシュ。だが、29分、左サイドでインターセプトされると、相手FWコニアン・クアク・クリスト(ベルシス)の高速ドリブルを止められずにゴール前まで持ち込まれて先制された。
前半29分、コートジボワールFWコニアン・クアク・クリスト(ベルシス)が先制ゴール
日本は鮫島、進藤の両ワイドからのクロスで反撃。40分には進藤の右アーリークロスから八色の放ったヘッドがクロスバーを叩く。さらにこぼれ球に八色が反応するも枠外。逆に43分、サイドから押し込まれるとFWノント・アダム(スタッド・レンヌ)に決められ、2点ビハインドで前半を終えた。
ただし、廣山望監督は、「前半の終わりのところの様子を見ていて、このまま行ける」という感覚を持っていたという。前半は身体能力の高い相手を警戒し過ぎて後手に。だが、失点して前に出なければならなくなったところで攻守に積極性が出て「選手の個々の力をしっかり出せるようなプレーが見えた」。巻き返そうとする姿勢も見られたことから、指揮官は後半も同じ11人をピッチに送り出した。
日本は立ち上がりから連続でゴール前のシーンを創出。すると4分、自陣の深谷から対角のフィードが右中間の八色へ通る。そして、八色がドリブルで中央まで運んで左へ展開。最後は梶山がカットインから鮮やかな右足シュートをファーサイドのネットへ突き刺した。
後半4分、日本はMF梶山蓮翔(FC東京U-18)が右足シュートを決めて1点差
カットインから鮮やかな一撃を決めた
1点差とした日本は16分、對馬が負傷したタイミングで3枚替えを敢行。對馬と花元、八色をDF大垣徹平(清水ユース)とFW三井寺眞(横浜FM)、FW迫田凌和(大宮U18)へ交代し、梶山をボランチへ落とした。
21分には積極的な姿勢を見せる大垣の右クロスから高田が右足シュート。直後には三井寺が自陣からスピードに乗ったドリブルで敵陣PAまでボールを運んでゴールを狙う。また、深谷や梶山が中盤の競り合いで健闘。日本は26分に鮫島、八色を左WB伊藤航(FC東京U-18)とFWオツコロ海桜(昌平高)へ入れ替えると、直後に同点ゴールを奪った。
29分、梶山のループパスを起点に、右の三井寺がDF間へ割って入り、さらに1人、2人とマークを外して左へパスを繋ぐ。これを伊藤がPA角から1タッチでゴール右隅へ流し込み、2-2とした。
後半29分、日本は交代出場の左WB伊藤航(FC東京U-18)が右足シュートを沈める
2点差を追いついた
この後、相手のサイド攻撃からシュートに持ち込まれたものの、勢いは日本。32分に注目アタッカーのスーパーゴールで逆転した。日本は守備範囲広く守っていた上野のインターセプトから、三井寺が敵陣中央でターン。すると、DFの股間を通すドリブルで一気にPAへ抜け出す。最後は左足シュートをGKに触られながらもねじ込み、歓喜を爆発させた。
後半32分には交代出場のFW三井寺眞(横浜FM)が左足シュートを決めて逆転
FW三井寺眞(横浜FM)は1得点1アシストの活躍
日本はさらにオツコロの落としから迫田がゴールを狙うなど4点目を目指す。ただ終盤は攻撃がやや雑になってしまった面も。また、コートジボワールにセカンドボールの回収で上回れると、推進力のある攻撃を食い止められずにゴール前まで持ち込まれた。
だが、43分にFWディアラスバ・アバス・リュク(ビジャレアル)の決定的な一撃をGKシュルツが抜群の反応から右手ワンハンドでビッグセーブ。日本は44分に進藤と右WB渡部直宏(東京Vユース)を交代して試合を締めに行く。アディショナルタイムには再びピンチを迎えたが、GKシュルツが頭上へのシュートに反応してストップ。このまま逃げ切り、6連覇へ向けて白星スタートを切った。
GKシュルツ建斗(鹿島ユース)らの活躍もあり、日本が初戦を制した
初戦で戦ったコートジボワールは後半に運動量が低下したものの、日本は相手に「力を引き出してもらって」(廣山監督)逆転勝ち。来年のU17アジアカップ、U-17ワールドカップへ向けて貴重な一戦となった。日本はこの後、フランス、アルゼンチンという強国との試合が控えている。
廣山監督は「ワールドカップレベルの相手と真剣勝負できるっていう機会はなかなかないので、ここで結果を出すことがワールドカップで自信持って戦うことに繋がる。これは前回もそうだったんですけど、アジアカップ、ワールドカップでいいプレーするには(力が)足りない状態ですけど、そのきっかけになるかなと思います」と語った。
インターナショナルドリームカップではフランスやオランダ、メキシコなど毎年のように世界の強国と対戦しているが、日本は現在5連覇中。廣山監督は「(連覇しなければならないという)そのプレッシャーで大会を戦う経験っていうのは選手を凄く成長させるから、やっぱ簡単にそれを逃しちゃいけないっていう思いが監督としてありますし、選手も今日勝ったことで、現実的に『連覇したい』『優勝しようぜ』って言葉を言ってましたから。ありがたい引き継ぎだと思うんで、是非、次に引き継げるようにしたいなと思います」と意気込んだ。
また、シュルツも「(残り2試合、)チーム全体で2勝して、この大会を優勝できるようにして、最後みんなで笑顔で終われるようにしたいです」。1世代上のU-17日本代表が5月のU17アジアカップで2大会ぶりのアジア制覇。来年、アジア連覇に挑戦するU-16日本代表が、インターナショナルドリームカップで重圧を乗り越え、連覇の経験をする。
(取材・文 吉田太郎)
