子育てをするなかで、「子どものウソ」に頭を悩ませたことがある人もいるのではないでしょうか。親として、ウソをついた子どもを厳しく叱った方が将来のためにいいのでは、と思いがちですが…。多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、「叱るとますますウソをつくようになる」そう。そんな場合の親の正しい対応について、詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

ウソをついた子どもの「本音」を理解する

子どもがウソをついたとき、ウソをついたという行為と、親に言えないほど悪いことを行ったということに対して、二重に怒りがわきおこると思います。感情のままに、「ダメじゃない!」と怒りをぶつけたくなる気持ちもよくわかるのですが、強い否定から入るとますます悪い方向に向かいます。

まず、子どももウソをつきたくてついているわけではないことを理解しましょう。

本当のことを言ったら怒られると思い、ウソをつくのがほとんどのケース。ウソをついたという事実の前に、どうしてそのような行為をしたのかという理由に寄り添ってあげてください。その上で、静かにその行為はいけないことだと説明をしましょう。

すると、「いけないことをしてしまったけれど、自分の気持ちをわかってくれた」と親子の信頼関係が構築され、次からは間違いをした場合でも正直に話してくれるようになるはずです。

逆に、「なんでこんなことやったの!」と頭ごなしに怒れば、今後、もっと重大なことをしてしまったときにも、「また怒られる」とますます隠そうとする傾向に。そのほうがよっぽど怖いですよね。

もちろん、だれかを傷つけてしまったり、ものをとってしまったりなど、迷惑をかけた相手がいる場合は先方への対応が必要ですが、自分の子どもに対しての姿勢は、基本的には一緒と考えてよいでしょう。

叱るだけでは「悪い行為」は改善しない

ある家庭では、宿題をやらない子どもをものすごく叱ったところ、次第に「宿題をやった」とウソをつかれるように。ですが、そのウソを問いつめると「だって、ママがすごく怒るから!」と、泣きながら訴えられたそうです。

この家族は少し時間がかかったようですが、「怒らないから正直に言ってね」と優しく伝え続けることで、親子の信頼関係が修復され、お子さんも本当のことを話すようになったといいます。

また、ある家庭では、弟がお兄ちゃんのお気に入りの文房具を隠して持っていたことが発覚。両親できつく叱ったのですが、その後、また弟が文房具を持っていたことが判明。今度は落ち着いて理由を聞いたところ、「ぼくも文房具はもっているけれど、お兄ちゃんはもっといっぱいもっていてうらやましかった」と話してくれたそうです。

とった文房具を使うわけでもなく、ただもっていたかっただけ。家族で話し合いながら注意したところ、3度目は起きていないと聞いています。間違った行為を叱ることは必要ですが、叱るだけでは決して抑止力にはならないのです。

●子どものウソは「親子の信頼関係を築くチャンス」

ウソをつく行為はじつは高度な行動で、ある程度成長していないとできないこと。怒りがわき上がったときには、「ウソをつくぐらい成長したのか」と少し冷静にとらえてから、親子の信頼関係を築くチャンスと考え直し、その理由について落ち着いて話し合ってみてくださいね。