『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

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 ヒーローたちの活躍を描いたTVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』。10月11日に放送された第2話では、あの“国民的ヒーロー”の存在に言及するシーンが登場し、大きな注目を集めている。

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 今回のエピソードは、オールマイトが自身の幼少期を振り返るシーンから幕を開ける。そこで描かれているのは、母親と一緒に絵本を読みながら歌を歌っている純真無垢な少年の姿だった。

 ここで登場した絵本は、『アンパンマン』の原作となったやなせたかしの『あんぱんまん』。そして少年の歌はアニメ『それいけ!アンパンマン』の主題歌「アンパンマンのマーチ」で、「なんのために生まれて なにをして生きるのか」というお馴染みのフレーズが歌われていた。

 絵本の表紙も歌詞もすべて“原作通り”に引用しており、『僕のヒーローアカデミア』の公式X(旧Twitter)では「【Special Thanks】アンパンマン やなせたかし先生」という感謝の言葉も記されていた。

 ここに至るまでの話の流れを振り返っておくと、オールマイトはオール・フォー・ワン(AFO)を食い止めるため、死闘を繰り広げていたところだった。すでに無個性でボロボロの身体になっているオールマイトだが、さまざまなサポートアイテムを装着した「アーマードオールマイト」として戦線に復帰したのだ。

 しかしAFOの圧倒的な力を前にオールマイトは敗北し、絶体絶命の窮地に陥ることに。そこで彼の脳裏に、原点<オリジン>とも言える記憶が蘇る……という流れだった。すなわちオールマイトの正義の心が、幼少期に好きだった『アンパンマン』から受け継がれたものだったことが示唆されている。

 さらにいえばオールマイトは、緑谷出久や爆豪勝己が子どもの頃から憧れていた“正義の象徴”といえる存在。ある意味では、すべてのヒーローの源流に『アンパンマン』があったと言うこともできるだろう。

 偉大なヒーローをリスペクトした描写に、視聴者のあいだでは「オールマイトが憧れたヒーローがアンパンマンなのは説得力がすごい」「アンパンマンは誰もが通る道なんだね」と感動の声が上がっている。その一方で、「朝ドラの直後にこれが放送されることに感動した」という人もいるようだ。

 というのも2025年の3月から9月にかけて放送されたNHK連続テレビ小説『あんぱん』では、まさに『アンパンマン』の生みの親であるやなせたかしさんとその妻・暢さんをモデルにした物語が描かれたばかり。作中では壮絶な戦争体験などを踏まえたうえで『アンパンマン』に通底するテーマである“逆転しない正義”について掘り下げられていた。

 振り返ってみれば、『僕のヒーローアカデミア』も絶えず「正義とは何か」を問い直してきた作品だった。ここにきて『アンパンマン』を取り上げたことにも、必然的な理由があったと言えるのではないだろうか。“正義のバトン”を受け継いだ物語がどんな着地点へと向かうのか、この先の展開からも目を離せない。(文=キットゥン希美)