防衛に成功した中谷潤人(撮影・佐々木彰尚)

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 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(14日、有明アリーナ)

 王者中谷潤人(26)=M・T=が同級1位のペッチ・ソー・チットパッタナ(30)=タイ=を6回2分59秒TKO勝ちで下し、2度目の防衛に成功した。

 序盤から小気味よく左を繰り出していくと、徐々にプレッシャーを強め、中盤は激しい接近戦から6回強烈な左を浴びせて、そのままラッシュでペッチからキャリア初のダウンを奪った。しかし、その後も圧倒し、終了間際に再び強烈な左を浴びせてリングに沈めた。キャリア78戦目のタフな30歳を仕留めた。

 これで3戦連続KO勝利。勝利者インタビューでは「お客さんも喜んでくれたらうれしい。最初はちょっとディフェンシブに戦った。チームからもまだ行かなくていいと言ってもらったんで、自分で勉強しながら当たるパンチをみていった」と振り返り、これまでダウンのなかった相手を倒しきったことに「そういう選手からこれまでもダウンを奪ってきた。気負わずに戦えた」と、胸を張った。

 日本人王者4人が君臨するバンタム級。中でも最強の呼び声高い26歳は「まあチャンピオン誰でもフーズネクストって感じです」と語り、「僕の大きな目標としてパウンド・フォー・パウンド1位というのを掲げているので、今日みたいなKOをたくさんお見せしたいなと思います」と、うなずいた。

 ◇中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。アマチュア戦績は16戦14勝2敗。2015年4月にプロデビュー。19年に日本フライ級王座、20年にWBO世界同級王座、23年にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得した。同王座を獲得したアンドリュー・モロニー(オーストラリア)戦は米国で最も権威ある専門誌ザ・リングの年間最優秀KO賞に選出。24年にWBC世界バンタム級王座を獲得。リング誌が選定する全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド」でトップ10入りした。身長172センチ、リーチ170センチ。左ボクサーファイター。