ゼレンスキー氏、欧州首脳らと相次ぎ会談 「勝利計画」など協議

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Andrew MacAskill Alistair Smout

[ロンドン/パリ/ローマ 10日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、英仏伊の首脳および北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談し、自身が掲げる対ロシア戦争終結案「勝利計画」などについて協議した。

ゼレンスキー氏はパリで「次の平和サミットは11月に開催する必要がある。(勝利)計画が議題になるだろう。11月上旬には計画の全ての詳細が示される」と述べた。

同氏はこれより先、訪問先のロンドンでルッテ氏とスターマー英首相と会談し、勝利計画のほか、米欧製の長距離射程兵器を使ったロシア領内への攻撃の可否などについて協議した。

ルッテ氏は会談後に記者団に対し、長距離射程兵器のロシア領内への使用を巡り協議したが、最終的には個々の支援国の判断に委ねられると述べた。

英首相報道官は「冬季を迎えるにあたり、ウクライナをどのように支援するか継続的な協議が行われている」と言及。「ウクライナの立場を強化したいが、ただ1つの兵器で戦争に勝利した例はない」とし、射程の長い英国製巡航ミサイル「ストームシャドー」の使用について、英政府の見解に変更はないと述べた。

フランスは米英と異なり、ウクライナが仏製長距離巡航ミサイル「スカルプ」をロシア領内攻撃に使用するのを認めるべきとしている。ウクライナが実際に使用したかは不明。

イタリアは自国製長距離ミサイルを使ったロシア領内攻撃に強く反対しているが、メローニ首相はゼレンスキー氏との10日の会談後、必要な限りウクライナを支援すると強調。

「われわれの支援の目的は、ウクライナができるだけ最良の立場で、降伏を意味しない和平交渉のテーブルに着けるようにすることだ」と述べた。

ゼレンスキー氏は会談後「戦争を正当に終結させるための適切な条件を設定する方法」について説明したとXに投稿。ただ詳細は明らかにしなかった。

ゼレンスキー氏は12日に予定されていた、ウクライナ支援国が参加する「ラムシュタイングループ」の会合に出席する予定だったが、バイデン米大統領がハリケーン対応で出席を見送ったため、同会合は延期された。