3人死亡遺族「納得できず」 逮捕時より軽い罪で起訴 検察「飲酒ではなく不注意」

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 飲酒運転と見られるトラックが乗用車に追突し、家族3人が死亡した事故で、起訴内容に飲酒運転が含まれなかったことに、遺族が「到底納得できない」と答えました。

【画像】危険運転致死傷で逮捕も、地検は過失運転致死傷で起訴 遺族のつらい思い

■28日に「3歳の誕生日」を迎えるはずが…

 塚越湊斗くん(2)は、まもなく3歳の誕生日を迎えるはずでした。

湊斗くんの母(30代)
「誕生日が(今月)28日にあるんですが、夫と『誕生日はみんなで過ごせるね』と楽しみにしてて。本人にも『誕生日プレゼントは何が欲しい?』って聞いたり、家族で過ごすことを楽しみにしてたので、それを迎えることができないのはとても悔しいです」

 夫・寛人さん(26)と、何よりも心待ちにしていた日。

湊斗くんの母
「『3歳になったらできることがいっぱい増えるね』って話をしてたので。3歳を迎えることができなくて、本人たちもすごい悔しがってると思います」

 今年5月、寛人さんと湊斗くん、そして湊斗くんの祖父・正宏さん(53)の3人が乗っていた車に、中央分離帯を猛スピードで乗り越えたトラックが突っ込み、3人は命を奪われました。

 トラックを運転していたのは、鈴木吾郎被告(69)。被告からは基準値を超えるアルコールが検出されていて、先月、危険運転致死傷の容疑で逮捕されました。

 会社の呼気検査では異常がなかったことから、検査からトラックに乗るまでの間に酒を飲んだとみられています。

■検察「飲酒ではなく不注意」

 事故からおよそ4カ月。裁判を前に、遺族のもとには信じられない知らせが届きました。

湊斗くんの母
「過失運転致死に変わったことを聞いたときは、とにかくなんで?という気持ちが強かったです」

 前橋地検は鈴木被告を逮捕容疑の危険運転致死傷罪ではなく、それよりも法定刑が軽い過失運転致死傷罪で起訴したのです。

 裁判所に提出された起訴状にはアルコールという文字はなく、「進路を適正に保持しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠った」とあります。

 現時点で、事故の原因は飲酒ではなく不注意というのが前橋地検の判断です。

 危険運転致死傷罪は懲役20年以下、過失運転致死傷罪は懲役7年以下で、量刑に大きな差があります。

湊斗くんの母
「湊斗はお風呂が大好きだったので、バスボールを入れるのがすごい好きで、『誕生日はカゴいっぱいにバスボールを買おうね』と」

 奪われてしまった幸せな日々。子どもと夫の写真に毎日話しかけているという湊斗くんの母親ですが、起訴内容については、まだ伝えることができていません。

湊斗くんの母
「過失運転で起訴されたよとは、まだ手を合わせては言っていないです。このまま過失運転で起訴されるのは到底納得できないですし、捜査を継続していただいているので、なんとかして危険運転になるように捜査は続けていってもらいたい」

(「グッド!モーニング」2024年9月17日放送分より)