中国共産党3中全会「決定」の用語解説(17) 人民元オフショア市場

香港のビクトリア湾。(2023年4月30日撮影、香港=新華社記者/陳鐸)

 【新華社北京8月28日】中国共産党が7月の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で採択した「改革のさらなる全面深化と中国式現代化の推進に関する中国共産党中央委員会の決定」について、重要な用語を解説する。第17回は「人民元オフショア市場」。

 ▽「決定」の原文

 金融消費者保護と違法金融活動取り締まりの仕組みを整備し、産業資本と金融資本の「ファイアウォール」を構築する。金融のハイレベルの開放を推し進め、人民元の国際化を冷静、慎重、確実に推進し、人民元オフショア市場を発展させる。デジタル人民元の研究開発と応用を着実に推し進める。(「決定」第5章「マクロ経済ガバナンス体系の整備」より)

 ▽用語解説

 国際通貨基金(IMF)の定義で、オフショア市場は一般的に通貨発行国外でその通貨による資金調達活動が行われる地域を指す。法律や会計、金融監督管理などの制度条件が国際基準と一致する通貨発行国内の特別な地域を指す場合もある。人民元オフショア市場は、中国本土の司法管轄外にあり、人民元の預金と貸付、為替と決済、および人民元建ての株式、債券、デリバティブなど金融商品の発行と取引が行われる地域を指す。人民元オフショア市場は現在、香港やシンガポール、ロンドンなどに設立されている。