「今は社会人なので多少気に入らないことがあっても態度や言葉に出すことはないですが、学生時代の私なら彼よりひどい口調で母親を罵っていたかもしれません。

 あの状況ではお礼の言葉を述べるべきですし、ほかの方もそれが当たり前だと思っていたので……。だから、あの時のことを思い出すと今でも正直ムカッ腹が立ちます」

◆もう迷子を見かけても保護できない?

 しかも、この一件がトラウマになってしまったのか、「今後、迷子の子供を見つけても声をかけるのは気が引けますよね」とも漏らす。

「あれだけの人数で保護してもこんな目に遭いますし、仮に自分1人で保護した場合、下手すれば不審者扱いで警察沙汰にされかねないだろうなって。最終的に身の潔白が証明されてもすごく労力と時間がかかると思うんです。

 だったら迷子の子供には悪いけど、見て見ぬフリをしたほうが自分に害が及ぶことはありませんから」

 確かに、こんな経験をすれば善意で手を差してあげたいと思ってもためらいたくなるのは仕方ないかも。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。