パリ五輪でも採用。アスリートの力をフル発揮するテックウェア

2024年8月5日 12時30分

ギズモード・ジャパン

みんなの感想は？

アスリートが競技に集中するためのテック。

スポーツブランドとして知られるミズノが、2024年の新たなウェアシリーズとして発表した「MUGEN PACK（ムゲンパック）」。

これまで多くのプロダクトでアスリートやスポーツをする人たちのパフォーマンスを向上させるための機能性を追究してきたミズノは、さらに競技に集中するためのテクノロジーを開発しました。

このMUGEN PACKは、現在開催中のパリオリンピック 2024日本代表ユニフォームにも採用されています。

赤外線による透過を防ぐ

MUGEN PACKのスポーツウェアとして機能性はもちろん、このウェアシリーズの最大の特徴ともいえるのが、近赤外線の吸収性が高い特殊な繊維を用いた新たな素材が使われている点です。

これにより、着用者へ向けられる赤外線カメラによる透過を防ぐことが可能に。つまり、特に女性アスリートを盗撮の被害から守れるようになるのです。

オリンピックをはじめとするスポーツイベントでは、女性アスリートに対する性的な目的での撮影、そしてその画像や動画がインターネットで拡散されるという事例が数多くあります。今回のMUGEN PACKではそうした被害を防ぎ、アスリートが抱く懸念を減らすことで、最大限のパフォーマンスを発揮できるように技術開発されました。

今回のパリオリンピックでは、バレーボール女子代表や卓球女子代表がこのウェアを着用して競技していました。さらに体操でも、同様の技術によって開発されたユニフォームが着用されています。

MUGEN PACKの「ドライエアフロー」は、撥水性と吸収性を組み合わせた構造を持つ独自素材で、高い通気性を持っています。先述の赤外線吸収性能により、汗の気化を促すことで汗によってベタベタ張り付かないようになるとのこと。この設計により、着用者は涼しく快適に競技ができるわけです。

オリンピック規定も変わっていく

同じような事例として、体操女子ドイツ代表が前回の東京オリンピックに引き続き、パリオリンピックでも代表ユニフォームとしてレオタードではなく、より露出の少ないユニタードを着用して競技をしています。同様の問題が起こるビーチバレーボールの女子では、より多くの選手がビキニではなくレギンスの着用やトップスを上から着用するといった光景が見られました。

アスリートが真の実力を発揮するためにテックを活用する、というMUGEN PACKのコンセプトは非常に素晴らしいと思います。規定も変わりつつあり、こうした被害がなくなっていくことを願うばかりです。