Image: OpenAI

その名もSearchGPT!

OpenAIから、GPT-4oを搭載した大規模検索エンジンが登場、ウェイティングリストで順番待ちの列に並ぶことができます。OpenAIは、これらの[検索]機能の最良のものを、ChatGPTに直接統合する予定だと述べています。Google検索のAI機能、「Google AI Overviews」の対抗馬になるわけですが、どんな戦いになるのでしょうか。

SearchGPTとは

SearchGPTはいわゆる一般的な検索エンジンとはちがうもので、ChatGPTのようなユーザーインターフェースにプロンプトを入力すると、AIがWebから情報を取得、引用リンクを複数含む回答を生成します。

たとえば、とある特定の場所で開催される音楽フェスのリストをください、といったような質問をした場合、AIは各ソースのWebサイトへの直リンクを含む短い文章で回答します。左側のサイドバーには、各ページが提供する各リンクを表示し、クリックできる別のタブもあります。

SearchGPTは、微妙なニュアンスを含むクエリに対しても、回答文の最後にソースの名称とリンクを示します。ユーザーは追加質問ができるので、AIはこれまでの質問(プロンプト)のコンテキストに合わせて回答してくれます。すでにChatGPTでやってくれていることのように見えますが、違いは、AIが引用したWebサイトへのリンクを強調する新しいインターフェースになっていることです。

AIが検索結果を出すことの懸念点

これは今のGoogle検索に似ていて、Google AI Overviewsでは、ユーザーは入力した結果に基づいた「AI による概要」が表示され、Geminiが取得したリンクがいくつか表示されますが、気に入らなければこの機能をオフにして従来の検索結果に戻すことが可能です。

SearchGPTでは、その機能がメインになります。

著作物を扱う出版社や作家などは、GoogleやOpenAIのような企業が、AIモデルのトレーニングに利用されるコンテンツに対しあまり配慮がないことに懸念をもっています。最近では、PerplexityAIがForbesの独自記事のコンテンツを利用したとして批判を受け、またThe New York Timesも、自社のコンテンツをAIモデルのトレーニングに使われたとOpen AIを訴訟中。さらに Financial Timesや、 Axel Springer、AP通信等主要なニュースネットワークもOpenAIに自社のコンテンツをトレーニング利用することを許可するために、数百万ドルのライセンス契約を結んでいます。

ただし問題は、多くの記事サイトがクリック数や広告収入に依存していることです。ユーザーはAIが生成した記事の要約を読むだけでしょう。その先を読むためにリンクをクリックしないと、そのサイトにお金が入ってきません。OpenAIは、AIで「検索体験を向上させ、高品質なコンテンツを会話形式で拡張し、ユーザーが関与する機会を提供する」と述べています。さらに、検索結果に「顕著に」リンクを提供することを約束しています。

OpenAIは、Googleとは異なるアプローチでWebサイトに利点をもたらすと言います。

先日Googleは、チャットボットをGemini 1.5 Flashにアップデートし、より長いコンテキストウィンドウで最大4倍のリンクを追加しました。試しましたが、基本的な質問に対する質問に対しては、依然としてGemini Advancedほど包括的ではなく、外部リンクは標準的な灰色のボックスとして表示されました。

SearchGPTはまだベータ版で、今後また変わっていくかもしれません。記者や作家のオリジナルコンテンツに対する信頼性が「約束されたリンク」で向上するかどうかは、今後の展開を見守る必要があります。

しかし、SearchGPTによって、ユーザーにとって満足な回答が得られたなら、たとえソースのリンクが正確で豊富にあっても、ほとんどの人はわざわざリンクをクリックしてオリジナルを読みにいくようなことはしないでしょうね…。