トイレまでの動線が悪いと、住まいはとても使い勝手が悪くなります。3年前にハウスメーカーで家を建てたライターは、帰宅後の動線や来客の利用を想定して、玄関のすぐ近くプランしました。しかし、夜中にトイレを使うとき、玄関のセンサーライトがまぶしくて、そのあとなかなか眠れなくなる事態に。洗面脱衣所からもアクセスが悪いので、小さな子どもをお風呂に入れる際もドタバタ劇が…。

トイレは玄関の近くにプラン

筆者は夫と子ども3人(8歳、5歳、0歳の男の子)の5人家族。3年前にハウスメーカーで、38坪の2階建ての注文住宅を建てました。

家づくりでは、子育てと家事がしやすい間取りにしたいと考え、ハウスメーカーの担当者と打ち合わせを重ねました。そして、でき上ったのが上の間取りです。子育てがしやすいよう、洗面所をLDKの近くに。買い物の整理がラクにできるよう、玄関からキッチンに行ける動線をつくりました。

また、以下の2つの理由から、トイレは玄関のすぐ近くにつくりました。

家族が帰宅したときにすぐに利用できる
・来客がプライベート空間に入らずに利用できる

家づくりでかなえたかったことは、この家に実際住んでみて、ほぼ実現できていると感じています。しかし、このトイレの位置だけは後悔…。

夜間のトイレで思わぬ落とし穴が!

玄関の近くにトイレをつくったため、寝室からはトイレの距離があります。LDKを通ってトイレに行くのですが、真っ暗では危ないので常夜灯をつけています。それは、まだいいのですが、トイレにたどり着いたときに大きな問題が!

じつは、妻が「明るい玄関がよい」と言ったため、玄関のダウンライトは、センサー式の昼白色を選択。玄関に行くと、夜中でも明るい光が。筆者は毎回この照明がまぶしくて、目が覚めてしまいます。これは大きな誤算でした。

玄関のトイレに行くため、寝ているほかの家族に、トイレの音は聞こえません。照明が漏れて、起こしてしまう心配はありません。ですから、今の場所にあるメリットもあります。

とはいえ、センサーライトが反応しない工夫はすべきでした。そして、足元灯用のコンセントを設置しておけば、目が覚めるようなことはなかったはずです。

洗面や脱衣所からの動線がイマイチ

洗面と脱衣所(写真左)からトイレ(写真中央)へは、やはりLDKを通らないと行けません。距離は短いですが、このことで不便を感じることがあります。

たとえば、子どもをお風呂に入れようとして、服を脱がせたあとで、「トイレに行きたい!」と言われると、裸でリビングを通ることになります。

つい先日のことですが、お風呂から出てきて、「間に合わない〜!」と、身体がぬれたまま走って行きました。当然、リビングの床はびしょびしょに。

じつは間取りを検討しているとき、玄関から脱衣所につながるドアをつくる提案がありました。しかし、洗面に収納を増やしたいと思い、その扉をつぶしてしまったのです。そのことを後悔しています。

玄関、LDK、脱衣所や洗面を回遊動線にしていたら…。もっとスムーズにトイレを使えたはず。リビングの床が、びしょびしょになることもなかったでしょう。

子どもに使いにくいトイレで親にもストレスが

筆者は、8歳、5歳と今年生まれた新生児の男の子3人の育児に日々奮闘中。そんななか、子どもが実際にトイレを使っている様子を見て感じていることがあります。

夜、LDKにいる子どもたちがトイレに行くとき、トイレの周りは、センサーライトが反応する場所に達するまで真っ暗。そのため子どもにとっては、ひとりでは行けない「怖いトイレ」に。このことからも、トイレはこの場所ではなかったと感じています。

トイレの手洗い場の問題も。筆者は掃除がしやすく、見た目もすっきりしているからと、タンクレストイレを選択。そのため手洗い場をトイレ内に設置しました。

しかし、まだ小さい子どもには高さがあり洗いづらく、少し大きくなって洗えるようになっても、狭い手洗い場だと、周囲に水が飛び散ります。

それはもう想定していた以上に、床がびしょぬれに。掃除の手間が増え、親としてはストレスになります。また、小さな手洗い場には、石けんの置き場がなく、しっかり手を洗いたいときは、リビング経由で洗面所に行かないといけません。

トイレと洗面所をもっと近くに設置するか、もう少しトイレを工夫して大きな手洗い場にすればよかったと後悔しています。

来客時に自分たちが使いにくい

玄関トイレは、来客時にプライベート空間に入らず使ってもらえる、メリットがあります。

しかし、玄関に来客があると、自分たちがトイレに入れない、あるいはトイレから出づらい状況になります。2階にもトイレがあるので、来客時は2階のトイレを使っていますが、途中で玄関に人が来たときは、どうしようもありません。

トイレの位置で考えるべきだったことは…

このトイレは、LDKからも近い位置にあります。ですから、リビングでの家族団らんや、キッチンで朝の支度をしているときでも、すぐにトイレへ行ける、子どものトイレの手伝いがしやすい、などのメリットがあります。その点に関しては、快適な動線で気に入っています。

しかし、音漏れや来客時のトイレ問題、寝室や洗面・脱衣所からの動線の悪さなど、後悔の多いトイレになってしまいました。

もし次に家づくりをするなら、LDKと近い動線を保ちながら、洗面・脱衣所との回遊動線をつくり、まぶしくなくて子どもが怖がらない、照明計画をしたいと思います。