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 佐藤勝利、菊池風磨、松島聡の3人だけでまわる最初で最後のコンサートツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2024 episode0』の真っ只中の7月下旬、約1カ月の応募期間で1万8922件のエントリーがあり、現在も引き続きメンバー自ら審査が行われている『timelesz project -AUDITION-』の途中報告として、2次オーディションの最中にメンバーへの合同取材会が行われた。

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 新メンバーを迎え入れるという新たな挑戦のなか、メンバーはどのような思いで日々を過ごしているのか、どのような実感をもって今過ごしているのか。取材が始まる直前に菊池風磨が「なんでもお答えします」と言っていた通り、2次オーディションの最中で感じた手応え、今後のグループへの予感をリアルな温度感で彼らは語ってくれた。(編集部)

■すごく希望が持てるようなオーディションを今やらせてもらっている(佐藤)

――2次オーディションが終わったということですが、現状までの流れを教えていただけますか?

菊池風磨(以下、菊池):今公表しているエントリー数から最終的に350人まで絞りまして、その350人には直接会っているという状況です。350人に直接会って、そこから3次オーディションに向けて人数を絞っていくという段階の途中となります。大体5人前後で候補生に集まってもらって、そこで自己紹介、歌、ダンス――ラップを披露したい人はラップで――この3つを30分前後でひとり5、6分を目処にオーディションをさせてもらっています。それを横並びで(メンバー)3人で見て、ダンスの先生、歌の先生も一緒に見ていただきながら。時折、僕らのコアなスタッフも見守りながら、チームtimeleszで審査をしています。

――今の人数に絞るまでに、3人とスタッフのなかでふるいに落とす作業があったと思うんですけど、どんな話し合いがありましたか?

松島聡(以下、松島):今回のオーディションに応募してくださった方って、基本的にダンス未経験の方が多くて。それでも1次審査の時に「ダンスを踊ってみました」とか、歌未経験だけど「歌ってみました」とか、そういう熱量を表現できている方と、文章の内容――timeleszにかける想いであったり、事務所にかける想い、エンターテインメントに対する想いをしっかり文章にして表してくれている方を僕は選ばさせていただきました。2次では実際に会ってみて……なんでしょう。歌とかダンスって視覚的にもわかりやすいですし、ただオーディションを通してすごく伸びしろがありそうだな、成長が見えたらすごく面白いんじゃないかなという方を選んだりしてますね。

佐藤勝利(以下、佐藤):メンバーのなかでも、目を引く人がいたら「空気持っていたよね」とか(話したりして)。やっぱりちょっと違うんですよね。ステージに立つうえで大事な要素だと思うんですけど、目を引く力というか。まとっているものが違う方もいらっしゃって。そういう方がくると「いい人を見つけたな」「ああいう人いいよね」というのが(みんなで)共通する時があって、メンバーになってくれたらうれしいなというか。伸びしろもきっといっぱいあるんじゃないかなと思うんですけど、すごく希望が持てるようなオーディションを今やらせていただいてますね。

菊池:メンバーおよびスタッフと話していることで言うと、わりと分かれないんですよね。「僕はこの人がいい」「いや、僕はこの人がいい」というのが、みんなあんまり意見がバラバラにならなくて。(自分が)「この人いいよね」「よかったよね」って思う方に対して、(周りが)賛同するパターンが多くて。だからこれはある種、不安に思っているファンの方々にとっては少し安心材料になってくれるのかなと思うんですけど、あんまり(意見が)割れないです。もちろん、そのなかで若干の温度差はありますけど、「いいよね」ってなった方に対して「いや、違うんじゃないかな」っていう差異は生まれないですね。

――見ているところが同じっていう。

菊池:そうですね。ちゃんと僕らの審査基準は――と言ったら偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが――僕らのなかでは定まっていて。そして、それが審査するなかでもブレていないなあというのは肌で感じてます。

■候補生にも大事にしてほしい「応援してくれるファンに対してのリスペクト」

――オーディションの雰囲気はどんな感じでしょうか?

菊池:緊張感はすごくあります。僕らは緊張というか、“緊張感”という感じで。候補生は緊張している人たちが多いかなと思います。それはそれで自然なことだと思うので。ただ、和むと言ったら変ですけど、人と人なので僕らも精一杯向き合っています。怖くしたりっていうつもりもあるわけではないので(笑)、そこらへんは和やかになる瞬間もね?

松島:うん、多い。真剣に向き合ってるからこそ、ちょっと厳しい意見を聞いてみたりっていう瞬間もあったりして。でも、それって今回のテーマが「仲間探し」なので。新しく力、人を集めて作るグループとは違う。それこそ、ダンス経験があって歌が上手くても、timeleszをまったく知らなくてリスペクトを感じられないような子もいたりします。そういう時には厳しい意見を言ってしまったり、みたいなことはあります。我々だけではなくて、応援してくださっているファンの方に対してのリスペクトというのもあるので。それぞれがいい緊張感のなか向き合って会話をしているという感じですね。

佐藤:候補生の方の緊張が毎日ある現場なんですけど、僕たちにとってもオーディションを見る側というのは初めてだったので、1日目とかはメンバーの緊張感もちょっと漂いながら。

菊池:(笑)。

佐藤:大事な仲間を探して、人と向き合う時間になるので。これから僕たちも初めての時間を過ごすことになるんだろう、というのがあって。僕たちも少しドキドキしながら、でもそれがワクワクにどんどん変わっていったので、いろんな可能性が見える時間を過ごせるようになって。すごく新しいことを、事務所としても初めてのことでもありますし、なかなかのことをさせていただいているなあというのを思いながらでしたね。

――候補生に会ううちに新しい形が見えてきたという感じですか?

菊池:まだな気がします。

佐藤:それぞれが「この候補生いいなあ」とか、なんとなくの目星みたいなものはついてきてると思うんですけど、まだ2次も折り返しぐらいで、グループをまとめようという図のようなものまではまだ作れないですね。

新しいけど最後の挑戦 これ以上の舞台はないと思ってる(菊池)

――ここまでのオーディションで、印象的な候補生のエピソードは何かありますか?

菊池:具体的にはお伝えできないんですけど、アナウンサーの方も参加されていたり、消防士、公務員の方とか。あと、もともとこういう活動(アイドル)をしていましたという方も少なくないですし。結構バラエティに富んだ、さまざまなジャンルからの挑戦というのは感じてます。

佐藤:あとは多彩な方だったりとかね。言語もそうだし、マルチプレイヤーの方がいらっしゃったりとか、そういう多彩な候補生の方もいましたね。

菊池:あとは、想いが強すぎて感極まってしまう人とか、緊張で裏で泣いてしまったりだとか。(オーディション場の)裏のことは報告ベースでしかないですけど、そういう話を聞いたり。僕らももちろん責任を持って真摯に向き合っているぶん、候補生の皆さんも並々ならぬ想いで挑んでくれているんだなというのは、日々感じています。

――ティザーで3人が爆笑しているシーンがあったと思うんですけど、どういうところでああいうひと盛り上がりがあったんですか?

松島:一発ギャグとかモノマネとか、そういうことをやってくれる方がいるので、そこでツボにハマったらみんなで笑って(笑)。

菊池:返しが面白かったりとか、突発的な笑いは起きたりしますし。僕らも息を呑むパフォーマンスをその場でしてくれたりもするので、想像を超える感じというか。まだ2次なのでそんなに派手なことは起きないんじゃないかと僕らも思っていたんですけど、そんな予想を超えてくれるようなすごいパフォーマンスがあったりすると盛り上がったりします。基本的には緊張感は持っていますけど、圧迫面接でもないので。僕らの仲間探し、近い将来仲間になるようなメンバーを探しているので、その場で何かが起こった笑いもそうですし、盛り上がりというのは、僕らも正直に反応して、リアクションして、オーディションに臨んでいます。

――「仲間探し」ということで、あらためてtimeleszらしさ、新メンバーに求めるものを教えてもらえますか?

松島:質問として「これまでグループ活動をしたことがありますか?」「集団生活をしたことがありますか?」みたいな、協調性に対して僕らは聞くことが多くて。その部分は3人とも共通であるかなと思います。候補生のなかでも、個人で自分のアピールをするのは得意だけど、集団となるとすごく苦手意識があって、難しくなってしまう子(もいたり)。我々はやっぱりグループ活動なので、そこをうまくやれる子を探しながら、そのなかで個性を見つけていくということをしていますね。

菊池:timeleszの活動、timelesz自体にどれだけ想いがあるかとか、これから3次、4次と来年の頭まで続いていくものなのでそこで育んでいってもらうのはもちろんですけど、今この瞬間にどれだけtimeleszへの想いを向けてくれているのかというのはすごく大事にしています。先ほど松島も申していましたけど、僕らに対してはもちろんですけど、僕らってファンの皆さんあっての僕らなので。僕らにリスペクトを持ってくれているというのは、それ即ちファンの皆さんであったり、今まで一緒にやってきたメンバーだったりとか、今までの僕たちの歴史も含めて、ファンの皆さん込みで、Sexy Zoneおよびtimeleszに対してのリスペクトというところを僕らは大切にしてほしいなと思うので。(新メンバーが)入ってきてここから始まるというよりも、ずっとある物語のなかの、ずっとある歴史のなかのこれからなので。大事にしてほしいし、尊重してほしいなと思います。それは候補生たちだけじゃなくて、僕らもそうですし、僕らに関わってくれるスタッフもそうですし。忘れちゃいけないよねって、僕ら自身も話し合っている部分でもあるので、候補生たちにもちゃんと受け止めてほしいなって。想いをどれだけ寄せてくれるかというのは大事にしています。

佐藤:人間性とか品を感じる人を素敵だなと思うのかなと思っていて。たとえば、「timeleszを見たことがあります」「timeleszを見ていました」っていう言葉にはグラデーションがあって。テレビでパッと見ただけの方もいれば、このために勉強してきたという方もいれば、「ずっと好きだったんです」という方も、いろいろなパターンがあって。その言葉の奥を引き出して、「ああ、これだけ熱量があるんだ」「この人の言葉にはこれだけ品もあって嘘もなくて信頼できるな」っていう人が、「熱量がよかったよね」とみんなで感じているので、そういう人に仲間になってほしいし、いいメンバーになるんじゃないかなと思いながらオーディションをやっていますね。

――今審査を続けているなかで、新生timeleszがこんなふうにパワーアップできそうだなというような手応えだったり、希望を感じていることはありますか?

菊池:希望しか感じてないですね。

佐藤・松島:うん。

菊池:本当にいろんな可能性があって。僕らと歩んできた道のりは、特に候補生とは違うと思うので、そういうところでの刺激であったり違った文化とか、それを取り込んでいく面白さもありますし。一方で、僕らのグループもそうですし、会社の歴史もありますし、その文化を尊重してもらわなければいけないところではあると思うので、折り合いというか最大公約数というか、きっちり交点で結ばなきゃいけないなという責任感はあります。でも、それを一旦度外視にすると、すごく刺激的な日々を僕らも彼ら(候補生)に会って過ごしてますし、心が奮い立つ瞬間というのは本当に何度もこのオーディションのなかであるので。2次の時点でそうなので、3次、4次と進めていくと、関係値もできたりして、お互いの中身とかが見えてきた時にまた新たな化学反応が生まれるんじゃないかな、と。その点でも僕らは希望しかないなと思ってます。どうですか?

松島:同じですね。ツアー中にオーディションを開催できていることもデカくて。早くて来年には同じステージに立っていることをイメージしながら候補生とも向き合えているので、自分たちにない色を持っている子とか僕たちにはない才能を持っている子たちがたくさんいるので。視覚として見えてわかる才能もあれば、これまでの経歴、どういう人生を歩んできたのかという話を聞くのもすごく刺激的なので、面白いですよね。面白いし、楽しみです。

佐藤:新しい家族が増えるような感覚というか。そうなると楽しみも増えていくし。どうなっていくのかはわからないけど、メンバーの組み合わせとかコミュニケーションの形とかも広がっていったり、幅もメンバーが増えることによってどんどんどんどん増えていくと思うので。新しい家族が増える楽しみが、どんなところでこのグループの幅が広がっているんだろうっていうワクワク感がありますね。

――菊池さんが、オーディションを開催する時に「どの媒体で何をするか、放送するのか、まったく決まっていません」「もし興味があればお願いします!」と話されていましたが、Netflixでの配信が決まった心境というのは率直にいかがですか?

菊池:驚きました。最初は自分たちのグループのYouTubeで配信していくのかとか、新たなYouTubeチャンネルやSNSを立ち上げて発信していくのかとか、最初は大きく視野に入れて考えていたので、まさかあのドタバタの配信からNetflixさんが手を挙げてくださるとは、という驚きはありました。

松島:めちゃくちゃ大きなところが協力してくれるというありがたさを感じています。何よりも、我々のこれまでの歩みとともに、これから新しいグループを作っていくという過程を丁寧にいろんな人に観てもらえるというのは大きいですよね。きっとtimeleszを知らない方も、オーディションというもの自体が今すごく流行っているのでオーディションに興味がある方にも観てもらえるということで、事務所の歴史も含めてたくさんの方に観ていただけたら嬉しいなと思いました。

佐藤:驚きましたし、嬉しかったです。Netflixさんという味方にも背中を押していただけて、世界にも配信されるということなので、これだけ大きな規模感になっていってるというのがすごく嬉しいです。

――先日のライブ(横浜アリーナ公演)で菊池さんが「Sexy Zoneの夢、僕らの夢は3人で叶える」、新メンバーも含めて「5大ドームや国立競技場、チャート総なめもしていきます」と言っていましたけど、その手応えはいかがですか?

菊池:はい。全部うまくいきます。もちろん今までがダメだったわけではないんですけど。背水の陣ということもありますし、僕らとしても最後のチャンスだっていう部分もありますし、候補生のなかには「最後のチャンスだ」って発する人も多くて。僕たちにかけてくれる候補生もスタッフもいて、みんながある種、背水の陣として感じていて。でも、僕らは今始まったわけではないので。12年の歴史を背負いながらここからまた新たな挑戦――新しいけど最後の挑戦。これ以上の舞台はないと思ってる。候補生と会っている感触、みんなとやり取りしている感触で言うと、全部うまくいきます。

■“5人のSexy Zone”にこだわっていたからこそ生まれた覚悟

――改名して、オーディションが始まって、Netflixでの配信も決まって、今は過渡期だと思います。この3カ月のなかで、timeleszとして、timeleszのメンバーとして、どういう実感のなかで過ごしていますか? それは「これからtimeleszになっていくんだな」という実感なのか、「もうtimeleszとして強くなっていくだけだな」という実感なのか。最後に教えてください。

松島:もう3人になった時点で、timeleszとして軸を固めていかなきゃいけないなって思ったので、僕のなかではtimeleszとしての自覚を持って仕事に取り組めているかなって。我々3人が固めておくことによって新メンバーも入ってきやすくなりますし、ちゃんと責任と覚悟を持ったうえで、今いろんなことと向き合っているかなと思ってますね。ファンの皆さんもそうですし、ファンではない方からのプロジェクトに対する意見も受け止めながら、(候補生からも)アイドルに対して、エンターテインメントに対しての想いというものをたくさん聞きましたし、それが刺激になって、このプロジェクトを絶対に成功させて、やってよかったなと思ってもらえるようなものにしたいなと思ったので、今はちゃんと自覚を持ってやれています。

菊池:今松島からもありましたけど、いきなりメンバーを増やして「新生timeleszです」というよりも、3人でちゃんと基盤を作って、ベースを作ったうえで新メンバーを迎え入れるっていうのがいちばん僕たちのなかで腑に落ちたというか、これが正攻法かなと思って、この選択を採りました。

 もうひとつ言うのであれば、3人のtimeleszというこの時間も貴重な時間だなと思っていて。今回のライブツアー、オリジナルメンバーだけで今までの曲とか今までのパフォーマンスを披露するのは今しかないので、それはすごく大事にしたい瞬間だよねと3人で話していて。だから、今回のライブツアーはそういう作りにしていて、これまでのSexy Zoneというもの――もちろん時間の許す限りですべてはできないけど――「もう僕らがやり残したことはない」と言えるように、3人のオリジナルメンバーでのパフォーマンスというのを今まさにやっていて。そういった側面でも、3人だからこそできることとか感じてもらえるものが多くあると思うので、そこは大事にしながら。だから、今回のツアーも『episode0』にしているわけで。そこから(新しい)メンバーが入った時に、エピソードが重なっていくのかな、と。そういった心持ちで活動しています。

佐藤:timeleszはグループ名の最後に“sz”とあるようにSexy Zoneと地続きな部分はあるんですが、これからまったく新しいグループを作る感覚もあるというか。今まで築き上げてきたものも受け継いで大事にしていきたいですし、これだけ新しい挑戦をさせていただいているので、新しいものが生み出せなかったらチャレンジしてる意味はないと思うので、新しい出会いにワクワクして。どういう方に出会って、どういうグループになっていくのか、ある意味見えないなか冒険するような気持ちで歩んでるんですけど、10年以上経ってもワクワク感を抱けるっていうのはありがたいことだなと思いますし、ファンの方には心配をさせてしまっている部分もあるんですけど、応援の声もいただけるようになってきているので、その言葉を胸に、精一杯丁寧に仲間を探していけたらなと思います。

 “5人のSexy Zone”というものにこだわっていたぶん、5人での活動ができないという状況になった時に、「どうやったら前を向けるようになるかな?」というのはすごく考えていて。timeleszという名前に変わり、オーディションをやるということが決定した時に、それが原動力になって前を向く――このまま下を向いていてはいけないなというか、ちゃんと上を見上げて、今までの気持ちも背負って、これから力強く歩んで行かなきゃいけないんだなと思えたのがこの「timelesz project」でもあるので。うん。今までの気持ちも胸に、また新しい可能性を探して、まだ僕たちも見えない部分も探しながらではあるんですけど、誠心誠意、人生をかけて、いいグループを作っていきたいなと思っています。

(文=林なな)