「チョコプラ超えた」…米『ゴットタレント』の注目芸人『シューマッハ』が語る“苦労と栄光の11年”

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優勝賞金1億5000万円を目指し、全世界のパフォーマーがしのぎを削るアメリカの人気オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』で日本人二人が快挙を達成した。五味侑也(37)と中村竜太郎(37)の同級生コンビ『シューマッハ』が、審査員特別賞にあたる「ゴールデンブザー」を獲得。日本の芸人史上初の偉業を成し遂げた。

今回の『ゴット・タレント シーズン19』予選には、とにかく明るい安村(43)や二人の同期の『チョコレートプラネット』も参加していたが、彼らを上回る評価を獲得した。ゴールデンブザー獲得により、『シューマッハ』は飛び級で次のステージに進出。“世界一のエンターテイナー”の栄冠獲得が本格的に見えてきた。そんな二人に快挙達成の喜びを聞くと、意外な裏話を明かしてくれた。

中村:最後のチャンスだと思って出場したので、まだ通過点ですけど、なんとか結果を残せてホッとしています。

五味:あの番組って、コメディアンに厳しいと言われていて、予選で合格しても放送されないなんてこともあるんですよ。だから、まずは放送されることを目指して出場したんです。でも、それ以上の結果となって嬉しいより驚きが大きかったですね。

中村:これ、二人の共通認識だと思うんだけど。本番直前にプロデューサーの方に、他にも日本から安村さんと『チョコプラ』が出場するって聞いた時に絶望したよね。ここまで来たのに結局は『チョコプラ』に話題持っていかれるのかよって(笑)。 

五味:本当にね。だから“ゴールデンブザー”が鳴った時は、なんとかこっちにも話題が来てくれるかなって、そこが一番に嬉しかったですね。

『ゴット・タレント』のステージでは、動物モノマネのタイツ芸で観客を総立ちにさせた。犬→シマウマ→ユニコーン→キリンと披露。中村が五味の尻に顔をうずめてキリンを完成させると、会場は大歓声に包まれた。出場に至るまでの経緯をこう語る。

中村:仲良い芸人で、『ゆんぼだんぷ』、ウエスP (36)という芸人がいるんですけど、言葉を使わない芸風を得意としていて、先に『ゴット・タレント』に挑戦していたんですよ。なので、彼らができるなら僕たちもできるんじゃないかということで、『ゴット・タレント』の出場を目標にしました。

五味:といっても、海外ですからどうエントリーすれば良いのか分からないので、ウエスPにめちゃくちゃ相談しましたね。

中村:ウエスPは、SNSをバズらせたらオファーが来たみたいです。なので、僕たちも去年の夏から毎日TikTokに新作ネタをアップするのを決めて投稿していました。そしたらある動画がバズって、本当にオファーが来たんですよね。

五味:でも、最初にオファーが来た時は、海外からのメッセージなんて普段来ないので、「本物なのか?」って疑っていて。最新の対話型AIの『クロードAI』に聞いてみたら、『それは詐欺の可能性があります』って言われたので、最初は返信するか悩みましたよ(笑)。とはいってもチャンスなので、一か八かで返信をしてみたら、間違いなく本物だったので、そこからはトントン拍子で進みましたね。

中村:正直、舞台に立つまで疑っていましたから、無事にネタを披露することができて、結果を残すことができて本当に良かったですよ。もう本当にこれが俺たちに残された唯一の道でしたからね。日本では、なにも結果を残せなかった僕たちですけど、芸人の新しいロールモデルになれるかもしれない。

最後に、今後の野望を聞いた。

五味:まずは、『ゴット・タレント』で優勝を目指したいですね。

中村:そこは、僕も一緒です。あと、しゃべらないネタをやっていると、どうしても自分たちの人柄を出すことができないので……トーク番組に出演して、もっと知って欲しいなと思います。 

五味:たしかに、二人ともしゃべるのが好きなので、これを機にバラエティ番組を一周してみたいよね。でも、二人とも結婚しているので、「女性絡み系」と「怪我する系」の企画以外であれば、何でもやりますよ(笑)。

中村「もう、売れる準備は整っています」

海外で結果を残し、日本へ“逆輸入”という新たなロールモデルに果たしてなれるのか。今後の活躍に期待したい。

有料版「FRIDAY GOLD」では、『シューマッハ』の二人が語る『M-1』や『キングオブコント』での挫折や、“しゃべらない芸風”の誕生秘話などを深掘りしている。