2020年東京五輪の開会式で入場行進を行うイスラエルの選手団(2021年7月23日撮影、資料写真)。(c)Martin BUREAU/ AFP

写真拡大

【AFP=時事】フランス極左政党の国会議員が21日、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘を理由に、パリ五輪でイスラエルの選手を歓迎しないと話し、内相らから批判の声が出ている。

 この問題では、極左政党「不服従のフランス(LFI)」のトマ・ポルト(Thomas Portes)議員が、パレスチナを支援する集会で「イスラエル代表団をパリでは歓迎しない。イスラエルのスポーツ選手をパリ五輪では歓迎しない」と話し、大会周辺での「動員」を呼びかけ。さらに日刊紙パリジャン(Le Parisien)で「フランスの外交官は国際オリンピック委員会(IOC)に圧力をかけ、ロシアと同様にイスラエル国旗と国歌を禁じるべきだ」「今こそダブルスタンダードを終わらせるときだ」と発言した。

 これを受け、ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相はテレビ番組で「反ユダヤ主義を示唆する」発言だと話し、「イスラエルの選手を目の敵にしている」とポルト議員を非難した。

 仏ユダヤ系団体代表協議会(CRIF)のヨナタン・アルフィ(Yonathan Arfi)代表もX(旧ツイッター)で、1972年のミュンヘン五輪でイスラエル選手11人が「パレスチナのテロリストに殺された」事件を引き合いに出しながら、イスラエルの選手は「すでにパリ五輪で最も危険な立場に置かれている」と話し、ポルト議員の発言は「無責任」だと断じると、「ハマスを正当化している」と批判した。

【翻訳編集】AFPBB News

■関連記事
五輪出場のロシア選手、3分の2が侵攻支持か軍と関係 報告書
パリ五輪 「具体的な」テロ脅威はなし 仏スポーツ相
サッカーのベルギー対イスラエル戦、ハンガリーで開催へ