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キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』シリーズといえば、激烈アクションとヒューマンドラマの調和が見事に取れた作品。亡き妻の形見である愛犬までも無惨に殺された元殺し屋の男・ジョン・ウィックは、静かに怒り、復讐の旅に出る。

今や映画4本、スピンオフドラマ1本が製作され、2025年にはアナ・デ・アルマス主演の実写映画『バレリーナ(原題)』が公開を控えるなど、好調にユニバースを拡大させている本シリーズ。名場面も数多あるが、プロデューサーを務めるデヴィッド・リーチによれば、シリーズ全体において最も重要なシーンは1作目『ジョン・ウィック』(2014)にあるという。米とのインタビューで、リーチは自ら監督を務めた1作目について、「素晴らしいショットがたくさんあります」としながら、ワンシーンをピックアップする。

「一番影響力のあるショットは、キアヌが犬をドッグキャリアから引き出すシーンだと思います。シリーズ全体において、感情的な燃料のようになっています。彼の妻であるヘレンや彼の人間性を象徴していると思います。犬が殺されでもしたら、彼も黙っちゃいないぞ、と。」

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リーチが言及しているのは劇中序盤、病気で亡くなった妻のヘレンが生前に書き残していた手紙を読み、ジョンがドッグキャリアの中でおとなしくしているビーグル犬のデイジーをそっと抱え上げるシーンのこと。その後、デイジーはマフィアによって殺されてしまい、ジョンの怒りが爆発するのだ。

「映画の中で描くと物議をかもすと思いました」。リーチは犬を殺すというアイデアについてこう振り返る。製作スタジオや映画関係の友人からは「犬は殺しちゃダメだ。映画が呪われることになる」と何度も忠告を受けたという。それでも当時の決断に後悔はないようで、「心の奥底では、それがこのキャラクターにとっては感情の燃料となり、自分たちがやりたがったことだとわかっていたんです」と語った。「なので、『ジョン・ウィック』シリーズで一番重要なショットだと思います」。

4作目『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)で物語に大きな区切りをつけたジョン・ウィックだが、上述の『バレリーナ』で再登場を果たす予定。3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)と『コンセクエンス』の間の物語が描かれるという。

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