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DeNAに頼もしい右腕が加わった。ソフトバンクの戦力構想から外れて退団した森唯斗だ。

新人の2014年から7年連続50試合以上登板と心身共にタフで知られる。セットアッパーとして活躍し、18年に抑えに抜擢されると37セーブで最多セーブ投手のタイトルを獲得。その後も3年連続30セーブ以上挙げるなど、黄金時代のソフトバンクで4年連続日本一に大きく貢献した。

「森をどのピースにはめ込むか」

近年は故障の影響で思うような結果を残せず、今季は先発に本格的に転向したが、6試合登板にとどまり2勝3敗、防御率4.60。ウエスタンリーグでは12試合登板で5勝5敗、防御率1.54と結果を残していたが、1軍からなかなかお呼びの声が掛からなかった。

推定年俸4億6000万円がネックになったのだろうか。今年限りでソフトバンクのユニフォームを脱ぐことになったが、まだまだ1軍で十分に通用する。直球は平均球速140キロ台後半と決して速くないが、手元で動くため芯で捉えるのが難しい。カットボール、ナックルカーブ、ツーシーム、チェンジアップ、フォークと変化球も多彩だ。数々の修羅場を潜り抜けてきた経験は大きな武器になる。

スポーツ紙デスクは「注目されるのは起用法です。ポスティング・システムでメジャー移籍を目指す今永昇太、FA権を行使した石田健大、去就が不透明なトレバー・バウアーが一気に抜けるとなると先発がコマ不足になる。ただ、救援陣も盤石とは言えない。長年守護神を務めていた山崎康晃は今季不安定で思うような結果を残せず、エスコバーも退団の可能性がある。森をどのピースにはめ込むか」と語る。

まだ31歳と若い。新天地で輝きを取り戻せるか。(中町顕吾)