大工で左官職人の蘇清良さん(文化部提供)

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(台北中央社)文化財の保存に重要な技術を持つ「人間国宝」の1人として認定されていた大工で左官職人の蘇清良さんが20日、死去したことが文化部(文化省)の発表で分かった。87歳だった。史哲(してつ)文化部長(文化相)は21日、報道資料を通じて哀悼の意を伝え、国家に多大な貢献をした人に贈る「褒揚令」を総統に願い出る考えを示した。

蘇さんは日本統治時代の1935(昭和10年)年、南部・高雄生まれ。幼い頃から建設業に従事し、98年からは息子の神男さんと古跡の修復などに携わった。

日本建築のしっくい壁や洗い出し、人造大理石、くし引き仕上げなどを得意とし、手掛けた建物には、台北賓館や台湾総督府交通局鉄道部、新竹州庁など日本時代に建設された古跡も数多くある。

2018年からは古跡修復専門の左官職人として活躍。その後も実際の作業を公開するなどして後進への指導に当たり、孫の建銘さんにも技術を伝承していた。

(邱祖胤/編集:齊藤啓介)