原巨人 緊急補強でも補えない「あの大きな穴」とは

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 首位ヤクルトを追う巨人が緊急補強に動いた。

 獲得に動いているのはイアン・クロル投手(31=前パドレス傘下3Aエルパソ)。150キロ前後の直球と鋭いスライダーを武器にカットボール、チェンジアップなど多彩な変化球も持ち味の左腕。メジャー通算243試合はすべて中継ぎとして登板しており、エンゼルス・大谷や3年ぶりの日本球界復帰で話題を集めている広島・秋山とは元同僚だという。

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 原監督は以前から「左のセットアップがもう一人欲しい」と話しており、首位ヤクルトを追撃するためにも緊急補強に動いた形だ。

 現在中継ぎ陣の防御率はリーグ5位の「4・27」と不振にあえぐ。守護神・大勢につなぐ「勝利の方程式」も確立されておらず、クロルが苦しむ救援陣の救世主となれるかが、注目を集めそうだ。

 一方、クロルが加入しても不安視されているのは「最近はまた原監督の先発陣への見切りが早くなっている。ただでさえ苦しいブルペンで、昨年の二の舞のような起用を続ければ、中継ぎ陣もなかなか立て直しは難しいのではないか」(球界関係者)

 3日の広島戦。2か月ぶりの先発マウンドとなった堀田が4回一死後、3連打を浴びた時点で2番手の戸根にスイッチ。結局この試合は8投手の継投となった。

 この継投に関しては巨人OBの間からも救援陣の今後の負担も含め「少し考えたほうがいい」と疑問の声が出ていた。昨年もチームでは6月8日のオリックス戦(京セラ)で球団史上最多となる9投手をつぎ込んだ試合が注目を集めていた。

 昨年V逸の要因ともいわれた「マシンガン継投」の傾向が最近は見え始めたことで、周囲は心配を強めている。

 「2年連続チーム最多登板の鍵谷も6月に一軍登録されたものの、調子が上がらず抹消となっている。チーム2位の登板数となった左腕の中川も現在までコンディション不良でチームに合流できていません」(同)

 2人は昨季「イニングまたぎ」も頻繁に行うなど、ブルペンを支えた2人だが、ここまでの不調には勤続疲労もささやかれている。

 果たして新助っ人クロルの加入でブルペン陣は息を吹き返すか。何より首位を独走するヤクルトにどこまで食い下がれるか、原監督の采配にも引き続き注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]