「セサミストリート」制作会社がパロディ映画『The Happytime Murders』を訴える→米連邦地裁は却下

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「セサミストリート」のパペットたちがセックスやドラッグなどやりたい放題のR指定映画『The Happytime Murders』が全米で8月17日に公開されるが、これに対し、本家「セサミストリート」の制作者たちが不快感を感じている。

エンタメ情報サイト『ヴァラエティ』によると、映画のキャッチコピーである「ノー・セサミ。オールストリート」が「セサミストリート」のブランドを傷つけているとして、「セサミストリート」を制作する非営利団体セサミ・ワークショップが制作会社STX Entertainmentに訴訟を起こした。

この映画は主演のメリッサ・マッカーシーと、『ザ・マペッツ』や『ロジャーラビット』のキャラクターたちが探偵役のマッカーシーと組み、パペットの連続殺人事件に挑むというものだ。

監督は「セサミストリート」の生みの親であるジム・ヘンソンの息子、ブライアン・ヘンソンであり、ジム・ヘンソン・カンパニーとの共同制作となっている。しかし、「セサミストリート」側はこの映画との関係を快く思っていないだろう。

訴状では、映画が「セサミストリートの評判と名声を利用しようとしている」と主張している。

さらに、訴状には「もう純粋な気持ちでマペットやセサミストリートを見れなくなった」といった、ソーシャルメディアでの反応の画面キャプチャも含まれている。

とはいえ、この訴訟は映画の配給やプロモーションを差し止めようとするものではないようで(それは彼ら曰く「あまりにも品がない」)、宣伝で「セサミストリート」をほのめかすことはやめてほしいという。訴状によれば、STXが「セサミストリート」の名前や評判を商業的に不適切に利用し、損なおうとしているという。

これに対し、眼鏡をかけたパペットの「フレッド」を通じて、STXから図々しい返答が返された。「STXはブライアン・ヘンソンやジム・ヘンソン・カンパニーと共同で、子供たちが見ていないところでのパペットたちの様子を伝えようとしてきた。「セサミストリート」にその面白さがわかってもらえず残念だが、我々は法的な立場に自信を持っている。この夏、大人の映画ファンに向けて愛らしく、それでいて不敵なキャラクターたちをお披露目できることを楽しみにしている」

結局のところ、ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁のヴァーノン・ブロデリック判事は、「セサミストリート」側の訴えを却下した。同判事は、映画のターゲットとなる観客層はTVシリーズと大幅に異なる上、宣伝に混乱する人は、映画のトレイラー映像を観た大勢の人の中のほんの一部だけだとしている。

今のところ、本作の日本公開は未定だ。

■参照リンク
https://www.moviefone.com/2018/05/25/sesame-street-creators-sue-over-happytime-murders-tag-line/
https://www.moviefone.com/2018/05/31/the-happytime-murders-restraining-order-sesame-workshop/