レンジャーズ・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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地元紙が特集、3戦連続110球超も好投続けるエース右腕の復活は「過去3試合に表れてる」

 レンジャーズダルビッシュ有投手が、最近3試合連続で球数110球を超える熱投を見せていることについて、周囲の懸念を“一蹴”したと地元紙「スターテレグラム」が伝えている。

 ダルビッシュは今季7試合に登板。3勝1敗、防御率2.76の好成績を残している。4月23日(日本時間24日)のロイヤルズ戦は113球、29日(同30日)のエンゼルス戦は125球、5月5日(同6日)のマリナーズ戦は116球と、最近3試合は球数が110球超。エンゼルス戦の125球が昨年5月にトミー・ジョン手術から復帰後最多で、今季メジャー全体で最多タイの球数でもあった。

 最近3試合の登板を受けて、地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」が「ユウ・ダルビッシュとレンジャーズは、エースの膨大な投球数を心配していないように思える、しかし彼らはすべきだろうか?」とのタイトルで特集するなど“懸念”する声も上がっていたが、この3試合は2勝無敗、計21イニングで14安打5失点、23奪三振9四球と上々の成績。疲労の影響は全く感じさせていない。

 今回、「スターテレグラム」は「レンジャーズのダルビッシュは投球数の増加に伴い、自信を得ている」との見出しで報じ、「もしダルビッシュに、彼がトミー・ジョン手術から時間が経過していることを納得させる更なる証拠が必要であるならば、それは過去3試合に表れている」と指摘。好投を続けていることを強調している。

指揮官も絶大な信頼「強大で強力な人間」

 記事によると、ダルビッシュは次回登板へ向けた囲み取材で、球数が多くなっていることについて「手術後そこまで投げてなかったので、自分の肘を鍛えるにはちょうどいいかなと思います」と返答。全く意に介していない様子だ。開幕から5試合目まで中4日で登板後、この2試合は中5日でマウンドに上がっていたが、10日(日本時間11日午前9時5分開始)のパドレス戦では再び中4日で登板予定。110球超の次の登板で初めて通常の登板間隔で先発することになるため、同紙は「水曜日には、ちょっとした裏付けがとれるだろう」としている。

 疲労の影響が心配されたが、取材に対して、この日は通常通りに登板間のブルペンに入ったことを明かし、「特に変わったことはしてないです」とも説明したダルビッシュ。前回登板では“スライダー頼み”になってしまったと振り返っていたが、ブルペンでの直球の状態については「修正がどうとかっていうのは全くしてないですけど、今日は普通に良かったと思います」と確かな手応えを示している。

「スターテレグラム」では、「レンジャーズは新たな靭帯と共に新たな領域へと進むダルビシュの観察を続けるつもりだ」と指摘。ジェフ・バニスター監督が、ダルビッシュの登板間隔や球数制限に注意を払っていることを説明しつつ、「しかしまた、レンジャーズはダルビッシュが110球以上に対応できる能力を持つことに更なる確信を抱いている」とも言及している。

 バニスター監督はエース右腕について「強大で強力な人間だ、そう、彼は以前にトミー・ジョン手術を受けたんだ。彼はこのような投球数に取り組むことができるステージに入ってきている。しかし、我々は観察を続ける必要があるし、気をつけないといけない。彼がどのように感じているか、合間に何が出来るのか、自信はどれくらいあるのかについて、非常に率直なコミュニケーションを取ることが出来ている」と絶大な信頼を示したという。

 もはや“完全復活”とも言える投球を見せ始めているダルビッシュ。相手を圧倒するボールでメジャー屈指の右腕であることを証明しながら、日本人初のサイ・ヤング賞にも1歩1歩、近づいている。