■札幌清田の野球部訪問の記事を紹介!北海道札幌清田高等学校(北海道)【前編】北海道札幌清田高等学校(北海道)【後編】

 12月11日、21世紀枠候補9校が発表された。ドットコムでは9校の推薦理由・選考状況を紹介!第1回は全道大会ベスト4の札幌清田の推薦理由と選考状況を振り返ります。

学校紹介・推薦理由北海道札幌清田高等学校

 校訓「なお、もっと」の下で過去5年間、毎年国公立大学に50〜70名ほど合格している札幌清田。部活動も盛んで、今年度は女子テニス部、弓道部、理科部、書道部が全国大会に出場した。特に理科部は全国で1校だけ選ばれる最優秀賞に輝いている。

 また、国際交流にも力を入れており、海外研修の一環として海外ボランティアを実施している。今年1月には野球部の当時1年生だった渡部 桂輔がカンボジアとベトナムに行き、地雷で足を失った人たちのために中古車椅子を届けたり、貧しい農村の農地開墾や孤児院を訪問し子供たちと交流した。

 野球部員は全員が自宅生で、夏期間は徒歩か自転車での通学である。また定期的に清掃ボランティアや歩道除雪作業を行っており、地元の野球部として親しまれている。野球部は少しずつ力をつけており、昨年の夏季大会札幌支部代表決定戦では札幌第一高校と対戦し、延長15回引き分け再試合となり、惜しくも敗れた。そして今回、秋季北海道高校野球大会に24年ぶり6度目の出場を果たし、主戦・實松 雄貴の活躍によりベスト4の成績を収めた。

 實松投手は長身から投げおろす直球と低めへの変化球のコンビネーションで札幌支部予選から全7試合完投。中学校時代軟式の野球部に所属し外野手だったことを考えるとまだまだ伸びしろも多く、将来性が期待でき、感情を表に出す性格ではないが内に闘志を秘めた選手である。野球部には専用球場はなく、グラウンドを他の部と共用している。打球が他の部の活動場所に行かないように高さ70cmのネットを約80m張ることもある。また冬期間は狭い廊下等でトレーニングを行っている。

 投手が1人投げることのできるスペースの室内練習場では、投球練習、トスバッティング、マシン打ちなどを行い、時には屋外でバッティング練習を行っている。その他、休日は室内競技が活動しない時間帯に体育館でテニスボールやシャトルを使い朝練(7:00〜9:00)、夜練(18:00〜20:00)を定期的に行っている。野球部のモットーに「笑顔で全力疾走」がある。攻守交代はもちろん、ピンチや凡打でも笑顔を絶やさず選手全員がはつらつとプレーしていた姿が印象的で、ベンチとスタンドが一体となってまさに「全員野球」を実践している。

地区選考状況

 平成27年度秋季北海道高校野球大会のベスト32進出チームから選考。強豪校が多い札幌支部参加59校の代表4校に勝ち上がり、さらに北海道地区全体の参加校226校の中でベスト4まで無敗で進出した。主戦である實松 雄貴(2年)が7試合全て一人で投げ抜き、防御率2.05と高い能力がある。バッテリーのテンポが良く、そのことが内外野手の積極果敢なプレーへと繋がっていた。

 選手は全員、近隣からの通学生であり、学業と部活動の両立を目指す進学校。学校内はもちろん、近隣地域の小学生、中学生、高校生に対して地元の学校に進学し、文武両道で頑張る野球部の姿がとても良い影響を与えている。

 また札幌清田高校野球部の活動紹介として、野球部は専用球場がなくグラウンドを他の部と共用し、打球が他の活動場所に行かないように工夫しながらの練習をしている。冬期間には学校内の狭い廊下等でトレーニングを行い、屋外でバッティング練習を行うなど、雪国のハンディを乗り越える努力をしている。以上のことにより高校野球が目指す方向性、高校野球の模範的な姿を実践している良い成績を収めた学校として札幌清田高校の選出となった。

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