防水対応は日本の先進性の証?海外スマホに防水が少ない5つの理由

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日本のスマホの大きな特徴の一つが防水機能だ。日本メーカーのスマホはほとんどが防水対応し、急な雨やキッチンまわりでの利用などでも安心して使うことができる。

ところが、海外メーカーのスマホでは防水に対応していないもののほうが多い。
これには5つの理由があるのだ。

1.日本人は進んでいた!片時もケータイを離せない日本人が生んだ需要
スマホが普及する前から、日本ではケータイメールやケータイサイトの利用が活発だった。そのためお風呂や台所での利用などいつどこでもケータイが使えるように、ケータイの防水化が進んでいった。これに対し海外では日本ほどケータイのサービスは進化しなかったこともあり、防水を求める消費者の声が、あまり多くなかったのだ。

2.お風呂に入るのは日本人だけ?お風呂需要は海外に無い


スマホをお風呂で使いたいと思うのは日本人ならでは


お風呂に入浴剤を入れて入浴時間をゆっくり楽しむのは日本の文化。雑誌や書籍を持ち込みお風呂に入りながら読む人もいるだろう。そしてその合間にメールやソーシャルサービスのタイムラインをチェックするというのも当たり前のことになっている。一方海外ではお風呂にゆっくりとつかる国は少なく、シャワーだけで済ませる国が多い。そのため入浴中にスマホを使おうと考える消費者の数も少ない。

3.防水スマホはコストがかかる!スマホ販売の違いもメーカーを尻込みさせる


防水スマホの開発にはノウハウとコストがかかる。海外でも一部機種しか対応していない


スマホを防水対応させるには専用の設計が必要だ。
完全密封が求められることから、本体の熱対策も必要になる。さらに水の浸入を防ぐためのパッキンなどの部品も多くなるのでコストもかかる。
また日本のスマホは通信キャリアに一括納入するためある程度販売数が見込めるため、コストをかけてもそれを回収する計算ができる。
一方海外ではスマホメーカーは自社製品をどれだけキャリアが買ってくれるかは営業努力次第となる。さらに自社でSIMフリーでも販売するため販売数がはっきり見込めず、高コストな製品は開発を避ける傾向があるのだ。

4.防水ケースが各社から販売。24時間の防水機能は必要ない?


そもそも24時間防水が必要?防水スマホではなく防水ケースでもなんとかなる


もちろん、海外であっても防水スマホを求める声はある。
そんな消費者に対しては透明ポーチ型の防水ケースもいくつか販売されている。
海外では、24時間防水機能が必要なのではなく、海に行った時だけなど限定的な利用でよいし、それでも困らないといった考え方が多い。そのためスマホメーカーも積極的には防水スマホを作る必要性は高まらないのである。

5.iPhoneは防水じゃない。今のスマホはそれなりに防水になっている?


iPhoneに防水機能が無くても世界中で売れている


そもそも単一機種で世界で一番販売されているiPhoneに防水機能は無い。
iPhoneをお風呂で使うのはさすがに無理だが、ちょっと水がかかったくらいで壊れてしまった、という話はあまり聞かない。今のスマホは昔のケータイのようにヒンジやキーパッドが無いため水が入り込む場所も少なくなっている。
水没事故のようなケースを除き、特別に防水機能を搭載しなくても、水回りでの利用程度なら不都合を感じることはないのだろう。


山根康宏