中国大手動画サイト土豆(Tudou)が、人気アニメ「名探偵コナン」の配信権利がないために、同作名を「万年小学生」に改めてサイトにアップロードした疑いが浮上した。土豆側はこれを否定、「(土豆は動画投稿サイトのため)ユーザーが勝手に行ったことであり、当社側は関知していない」とした。発覚後、「万年小学生」と題された動画は削除されている。

 発端はネット上でのうわさ。既に出どころは定かではないが、微博(ウェイボー)だと思われる。「土豆が権利を持たない名探偵コナンに対して、万年小学生と改名した」という一文が中国インターネット上を駆け巡った。株式上場を果たしている土豆はコンプライアンス上、ユーザーが投稿した「名探偵コナン」動画ファイルは発見次第削除しているが、「万年小学生」と題された動画ファイルはその審査に引っかからず、サイト内に残留することになった。

 土豆では、「名探偵コナン」に対しては徹底的に対策を講じ、検索ワード「柯南」を入れると、動画が削除され既存ページが存在していない旨のアナウンスページが表示されるが、「万年小学生」で検索すると、「関連する動画、**件が検索されました」として、通常の検索結果ページが表示され、「名探偵コナン」を実質的に視聴できたという。

 「名探偵コナン」は、謎の組織によって体を小さくされた高校生探偵(工藤新一)が、数々の事件を解決していくさまを描いた推理漫画。体を小さくされた工藤新一は江戸川コナンと名前を変えて、小学生として生活することになる。今回の海賊版維持のための「万年小学生」への改名は作中のこのポイントからヒントを得たものと考えられる。

 今回の事件に対して、中国ネットユーザーからも非難轟々(ごうごう)。「“NARUTO -ナルト- ”は“一人の村長になりたい男”、“ドラえもん”は“彼と彼の猫”、“美少女戦士セーラームーン”は“月に代わって、お仕置きする娘”に代えれば通用するのか?」などの皮肉交じりの指摘もあった。

 「名探偵コナン」は現在、中国において「NARUTO -ナルト- 」「ONE PIECE(ワンピース)」の圧倒的な人気は別として、「BLEACH(ブリーチ)」「FAIRY TAIL」などと並んで、非常に人気のある日本のアニメとなっている(百度の検索ランキング調べ、2012年3月13日現在)。(編集担当:鈴木良純)