かつてのミランのバンディエーラ(シンボル)であるパオロ・マルディーニ氏が、贈賄と情報システムへの不正アクセスの嫌疑で起訴された。ミラノ地検の検事が決定した。マルディーニ氏は税務署員に金銭を渡し、トスカーナ州での不動産売買に関する監査における不正を委託したとされている。

マルディーニ氏は裁判所に出頭し、検事の決定を聞いた。裁判は4月21日にミラノで始まる予定で、検事はマルディーニ氏のほかに12名を起訴している。マルディーニ氏は脱税のために、今回の捜査で逮捕されている税務署員のルチアーノ・ブレッシ氏に近づいたとされている。

2009年6月23日まで行われた捜査によると、マルディーニ氏はブレッシ氏に「謝礼金(年間4万ユーロ=約円)」や、妻と立ち上げた会社「ベルベット」の特別顧問の座を申し出で、そこから「多額の金銭が生まれていた」という。また、ブレッシ氏を通じて、不動産に関する内部情報を入手しようとしたそうだ。マルディーニ氏は、ブレッシ氏が「ベルベット」から金を盗んだと主張している。

マルディーニ氏の弁護士であるダニーロ・ブオンジョルノ氏は、マルディーニ氏が「落ち着いている」と明かしている。「誰にも賄賂を贈ってはいないから」だそうだ。さらに、ブオンジョルノ弁護士は「贈賄の証拠はなく、裁判所がそれを理解するだろう」と強調。また、アドリアーナ夫人に対する贈賄での起訴がなくなり、マルディーニ氏が「満足している」ことも明かした。