アダルトチルドレンという言葉を知っていますか? 自分で認識していて悩んでいる人、自分で認識していなくても生きづらさを抱えている人がいます。誤解されやすいアダルトチルドレンについて調べてみました。

アダルトチルドレンは病名ではない

アダルトチルドレン(AC)はうつ病のような病名ではありません。何らかの【機能不全家族】で育ち、心に傷を負ったトラウマから、大人になってもその考え方や人との関わりのクセが抜けずに生きにくさを抱えている人達の総称です。また呼び方から「大人になりきれていない子供っぽい人達」というイメージや誤解がありますがそれも違います。語源は「アルコール依存症の親の元で育ち、大人になった人々」という意味で、アメリカのケースワーカーの人達が担当した経験や知識から作った言葉だそうです。日本では児童虐待への意識がアメリカほど強くないため、アダルトチルドレン自体を知らなかったり知識に誤解が多いのが現状です。

機能不全家族って知ってる?

家庭内に対立(夫婦・親子・兄弟)、不法行為、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待育児放棄、親の強いコントロールなどが存在する家庭のことを指し、子供の人格が尊重されなかったり、抑圧されてしまう家庭環境のことをいいます。表面的な虐待行為が無くても、精神的に強い抑圧を受けていたり、考え方をコントロールされることで健全な生活が送れない環境もあてはまります。この場合は自分でアダルトチルドレンの認識が無く、人との関わりにくさに悩んでいる人が少なくありません。アダルトチルドレンの人が親になったとき、子供とうまく関われずに「虐待の連鎖」が起こることもあるといいます。

アダルトチルドレンの特徴と回復法

自己を確立できずに育ったため、相手に合わせ過ぎて自分を見失ったり、愛情を受けていない(または屈折した愛情を受ける)ことから、自分に自信がない、人を愛せない、愛されている認識を持てないといった特徴があります。周りからは「異常に相手に依存する」「異常に冷静で物事に関心がない」とみられることも。どちらも自分を守るための防御本能でできてしまった精神状態で、いじめやパワハラ、モラハラに遭いやすいという特徴もあります。育った環境が「普通ではなかった」ことを認め、自分が認められても愛されても良い人間なのだということを理解することがアダルトチルドレンから回復する鍵となります。自分だけで回復することは困難なので、心療内科やカウンセラーなどの専門家に相談することが回復への近道です。

アダルトチルドレンについて、少しでも理解していただけたでしょうか? 各WEBサイトには、自己チェックなどもあるので参考にしてみてくださいね。


writer:しゃけごはん