学生の窓口編集部

写真拡大


「敷居が高い」とは本来、相手に面目のないことがあったりするために、その人の家に行きにくくなる、という意味。だけど、「高級なところ」「自分には入りにくいところ」という意味で、間違って使ってしまう人もいます。そこで今回は、間違って使っていた日本語の誤用表現を読者に教えてもらいました。

■勘違いしていた!

・「気が置けない。油断ができない。気が置けない人を、油断がならない人のことと思っていた」(女性/24歳/その他)

・「他力本願。他の人に力に任せて、自分はだらけることだと思っていた」(男性/27歳/情報・IT)

・「奇しくも。悔しくもという意味で使っていて、人に言われたときに意味を理解できなかった」(女性/24歳/学校・教育関連)

「気が置けない」は、最近では特に誤用されてしまう語句だそう。本来は「気遣いしなくてよい」という意味で、仲のいい相手に使う表現。油断がならない人では、逆の意味になってしまいますね。

■誤読していた!

・「瓦解。ぼろぼろになることだと思ってた。ぽんかいって読んでた」(男性/26歳/機械・精密機器)

・「うるおぼえ。うろ覚えでしょ、と言われた」(女性/20歳/医療・福祉)

・「相殺ですかね。アイサツと読んでいた」(男性/31歳/情報・IT)

「うるおぼえ」のように、少し似た音で覚えてしまうことってありますよね。パソコンやメールの普及で、手書きすることが減ったので、漢字の読みも咄嗟に出てこない。日頃から文字と触れていないと、ダメかもしれません。

■違うと気がついた瞬間

・「確信犯。悪いと知っていながら行うことだと思っていました。クイズ番組で紹介されていて初めて本当の意味を知りました」(男性/50歳以上/電機)

・「煮詰まる。全然いい考えが出ない状態だと思っていたら、違かった。家族に指摘されて調べた」(女性/35歳/その他)

・「世間ずれ。『あの人、世間ずれしているよね。』と後輩に愚痴っていたら、後輩から言葉の間違いを指摘され、いたたまれなかった」(女性/36歳/医療・福祉)

クイズ番組を見ていて、ハッと自分で気づけたのはいいですよね。家族や友人など、人から指摘されたときは恥ずかしい……。だけど、ずっと間違い続けなくて済んで、良かったのかもしれませんね。

■間違って恥ずかしかったー!

・「汚名挽回。汚名返上と名誉挽回がごっちゃになってしまい、上司に笑われた」(男性/26歳/農林・水産)

・「失笑する。人の事を馬鹿にする時に『失笑したよ』と使っていたら、ニュースで特集されていて恥ずかしくなりました」(女性/32歳/ソフトウェア)

・「役不足。意味を知らずに上司に使ってしまいかなり怒られた」(男性/29歳/医療・福祉)

間違って使ってしまっても、相手が笑ってくれたら少しは救われます。でも、怒られてしまうと、恥ずかしさとショックのダブルパンチ……。間違っているときには、どうかそっと教えてください。

■勉強になりました

・「『アウトローとアウト・ロー』。外角低めをアウトローと書いたらそれは無法者だと言われた。外国語辞典をひもとくと確かに外角低めは『アウト・ロー』だった。『・』が一つ入るか入らないかで意味合いが大きく違うことがわかった」(男性/50歳以上・団体・公益法人・官公庁)

・「辛党。辛いのが好きなので辛党と言っていたら、辛党は酒好きのことと言われて勉強になりました」(男性/44歳/情報・IT)

・「台風上陸。沖縄は島なので、沖縄に台風が来た時には『上陸』と言わないというのをこの前知りました。何気なく使っていたのでこういうのが間違い表現であるというのを知って驚きました」(男性/37歳/金融・証券)

「アウトロー」と「アウト・ロー」の違いは、会話の中だけではわからないかもしれません。改めて、辞書で調べる大切さにも気づけました。

今回紹介した誤用表現は、つい間違ってしまいそうなものばかり。しかし、誤用表現が一般的になると、それが正しい日本語として定着することも。たまには辞書を引いて言葉の勉強をしたいですね。

文・OFFICE-SANGA 藤平真由美

調査時期:2015年9月

アンケート:学生の窓口調べ

集計対象数:社会人327人(インターネットログイン式アンケート