【W杯】林陵平氏 チュニジア堅守どう崩す? 4年前カタール大会のコスタリカ戦と似た展開に
◇日本一の解説者 林陵平が解く未来予想図
元東大サッカー部監督で「日本一の解説者」林陵平氏(39)が、1次リーグ突破の鍵を握る第2戦チュニジア戦を占った。初戦スウェーデン戦の大敗からラムシ前監督が解任され、ルナール新監督が率いる相手は強固なブロックを敷いてくると予測。プラスワンの攻撃参加とカウンターを攻略の糸口に挙げた。
【4年前と同じ構図】
ふたを開けてみないと分からないが、ルナール監督のスタイルははっきりしている。低い位置でブロックをつくり、しっかりとした守備からカウンターに出ていく戦い方だ。サウジアラビア代表時代に日本と対戦した時もそうだった。おそらく5バックで来ると思うが、最終ラインが5枚にしても4枚にしてもブロックは堅い。日本はボールを保持した中で多くチャンスをつくり出し、引いた相手をどれだけ崩していけるか。カタール大会のコスタリカ戦と似たような展開になるだろう。
プラスワンの攻撃参加がポイントになる。前線の選手は相手につかまえられているため、動こうとしてもなかなか動けない。5枚の相手を崩すには鎌田、佐野海のボランチのどちらか、もしくは3バックの左右どちらかが前線に飛び出していくこと。それによって相手のマークが付きにくくなる。オランダ戦では渡辺が最終ラインから攻撃に関わった時にチャンスが生まれていた。押し込んだ相手に対しては、最前線のストライカーがゴールを決めきることも大事になる。オランダ戦の上田はどうしても守備の時間が長くなったため、シュートチャンスは少なかった。今回は2点くらい決めそうな予感がする。
【意外な打開策あり】
引いた相手を崩せるかが焦点となるが、逆の視点もある。意外とチャンスにつながるのが、わざと相手に攻撃させてカウンターを狙うこと。立ち上がりはオランダ戦とは違ってハイプレスを仕掛けるかもしれないが、ボールを持たせてミドルゾーンでブロックをつくれば、チュニジアは攻撃に出てくる。いい形で高い位置で奪えたら、ショートカウンターでチャンスをつくり出せる。
スペインがカボベルデと0―0で引き分けた試合からも分かるように、スペインですら引いた相手を崩すのは難しい。ショートカウンターからのゴールはW杯を見ていても多く、相手がブロックをつくる前に仕留めることが効果的だ。
【久保不在の攻撃陣】
日本の問題はシャドーに誰が入るか。オランダ戦は前田が先発したが、押し込む展開では狭いスペースの中でプレーできる選手、ライン間でボールを受けられる選手が生きる。引かれたとしても、背後への動き出しも必要だ。左シャドーの選択肢は多いが、鈴木唯か町野、高さのある後藤も面白い。久保が離脱した右はそのまま伊東が入るか、堂安を上げてウイングバックに菅原が入るか。3バックは運びがうまい板倉や冨安を入れ、攻撃に出るために変化を加えるかもしれない。森保監督の交代策が当たっているので信じて応援したい。
警戒しなければならないのはカウンターとセットプレー。チュニジアは監督が代わってモチベーションが凄く高いはずなので、それを上回るような熱量と戦術的に戦う冷静さが必要になる。優勝を目指すのであれば、こういう相手にはしっかり勝たないといけない。
◇林 陵平(はやし・りょうへい)1986年(昭61)9月8日生まれ、東京都八王子市出身の39歳。東京Vの下部組織出身で明大を経て09年に東京V入り。10年に柏へ移籍し、同年にJ2優勝、翌年にJ1制覇を経験。その後は山形、水戸、町田、群馬など主にJ2でプレーし、20年限りで現役引退。引退後は指導者と解説業をこなし、21〜23年に東大ア式蹴球部(サッカー部)の監督を務めた。1メートル86。利き足は左。
≪久保がSNSでメッセージ≫左膝の負傷でチュニジア戦を欠場するMF久保が19日、事前合宿を行った試合会場モンテレイのW杯公式インスタグラムでメッセージを投稿。「メキシコ国民の皆さん、こんにちは。日本代表の久保建英です。チュニジア戦はW杯1000試合目。僕たちは勝ちます」とスペイン語で語りかけた。オランダとの初戦で負傷し、1次リーグでの復帰は絶望的。チュニジア戦はベース基地の米ナッシュビルから仲間に声援を送る。
