奪われた娘「元少年の犯罪」責任の所在を母は問う 25日に控訴審判決へ 福岡
6年前、福岡市の商業施設で女性が当時15歳の元少年に殺害された事件で、遺族は、元少年の母親にも責任があったとして損害賠償を求めています。25日、福岡高裁で控訴審判決が言い渡されるのを前に、遺族が心境を語りました。
当時21歳だった、吉松弥里さんです。
6年前に突然、命を奪われた娘。あの日から、母の時間は止まったままです。
■弥里さんの母
「21ですよ、まだ。弥里の友達には子どもがいる人もいて、子どもさんを連れてお参りに来てくださったりするのですが、そういう姿を見ると弥里だって、もしかしたら孫も産まれていたかもしれないと思うと。全部、奪われて。」
未成年による犯罪。
弥里さんの遺族は3年前、「親にも責任がある」として、元少年とその母親を相手取り、7800万円あまりの損害賠償を求めて提訴しました。
■弥里さんの母
「(元少年の母親に)どういうふうに子どもを育ててきたのかと聞くと『暴言、暴力。そういうものが日常茶飯事だった』と言っていました。育児放棄をしていたのかと言ったら『そうかもしれない』って。人格形成の大事な時期に虐待されて、性的虐待までも受けて、暴言、暴力。同じことを周りの人たちにやっているんです。」
刑事裁判の確定判決などによりますと、元少年は、小学生のころから粗暴性を理由に病院や支援施設を転々としていました。その後、14歳で少年院に入りましたが、仮退院の際、母親に身元の引き受けを拒否されたことから更生保護施設に入り、たった1日で脱走して犯行に及びました。
元少年は刑事裁判で「母親のもとに帰れると期待していた」と話しています。
■弥里さんの母
「(元少年の母親が)ちゃんと子どもと向き合っていたら、犯人だってこんなことしなかったんじゃないかって。だから、あなたの責任は大きいんだって。」
1審の福岡地裁は去年3月、元少年に対し、およそ5400万円の損害賠償を命じた一方、母親に対する請求は棄却しました。事件直前までのおよそ4年半、元少年が少年院などに入り、親元にいなかったことを理由に、遺族側が訴えた母親の“監督義務違反”を認めませんでした。
■弥里さんの母
「なぜ、なんで責任がないのか。疑問しか浮かばなかった。この事件は、あなた(母親)が止めようと思えば止められる事件だったと思うんです。ちゃんと少年に向き合って。いくら、施設に預けていたって。母親との関わり合いを持つ時間は、今まであったはず。」
弥里さんの母親は、元少年の母親についてのみ控訴しました。去年9月に始まった控訴審で「(元少年の)母親が監督義務を果たさなかったことが、無差別殺人につながった」と涙ながらに訴えました。
一方、被告の元少年の母親側は「およそ4年半の間、元少年は母親と時間的にも物理的にも離れていた」ため、「少年が事件を起こすと見通すことはできなかった」などと主張し、棄却を求めています。
元少年に賠償を命じる1審判決は、確定してからおよそ1年経ちますが、遺族には1円も支払われていません。
娘の命を奪った責任を、誰が取るのか。
弥里さんの母親は、未成年による同様の事件を起こさせないためにも「親の責任」を認めるべきだと考えています。
■弥里さんの母
「似たような事件があったら、親は責任を取らなくていいと、施設に預けていたんだから。そう解釈する人もいると思うんです。絶対に、そんなこと許せない。」
控訴審判決は3月25日、福岡高裁で言い渡されます。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年3月24日午後5時すぎ放送
