Snapchat でZ世代の支持が拡大 トゥルーレリジョンがめざす売上1500億円の道

記事のポイント
トゥルーレリジョンが大学ツアーとSnapchat強化でZ世代の購買増加を確認した。
ヴォンダッチとのコラボやNIL起用などの具体策が若年層の流入40%増につながった。
10億ドル規模をめざすなかで女性客とZ世代の獲得を成長戦略の中心に据えている。
2000年代初頭の定番ブランドであるトゥルーレリジョン(True Religion)は、Y2Kをめぐる大きなカルチャー的ノスタルジーの恩恵を受けてきた。
18〜25歳の購買増加を察知し、Z世代向けマーケティングを強化
トゥルーレリジョンにとって25歳から45歳は重要なデモグラフィック層であったが、約6カ月前から18歳から25歳の人々がより多く購入していることにブランド側が気づいたと、同ブランドのチーフマーケティングオフィサー兼デジタルグロース責任者であるクリステン・ダーシー氏はModern Retailに語った。
店舗スタッフもダーシー氏に対し、ここ数カ月で大学生くらいの消費者が増えていると報告した。「ソーシャルでも来店でも、意図せずとも、顧客がどんどん若くなってきていることがわかった」とダーシー氏は述べた。
その結果、現在大きな再建の最中にあるトゥルーレリジョンは、新しいオーナーシップの下で、マーケティング計画にZ世代をさらに取り込んでいる。
2025年の秋の初め、同ブランドは初の大学ツアーを開始し、11月末までに複数の学校や州を巡回している。また最近では、主にZ世代がユーザー基盤となるプラットフォームであるSnapchat(スナップチャット)で、有料マーケティングを開始した。
10月には、ヴォンダッチ(Von Dutch)との新しいコラボレーションを発表し、若い買い物客が増え、サイトのトラフィックが前年比40%増加した。そして、大学生のNILアスリートを「Team True」というアンバサダープログラムに加えた。
10億ドル規模をめざし、女性顧客とZ世代の獲得を加速
トゥルーレリジョンはZ世代との接点を増やしつつ、10億ドル(約1500億円)企業になるという目標に向けて前進している。同ブランドの2025年の総売上は5億ドル(約約750億円)ほどになるとダーシー氏は述べた。
この数字を倍にするために、同ブランドは顧客獲得、特に女性の獲得を加速させたいと考えており、その大きな役割をZ世代に担わせたいという。
「当社の到達可能市場は1億1000万から1億2000万人なので、大きな伸びしろがある」とダーシー氏は述べた。
大学ツアーが新規顧客獲得の主力施策に
トゥルーレリジョンが新規顧客を獲得する最大の方法のひとつが、大学ツアーのポップアップである。
同ブランドは現在、大学ごとに特別な商品を配布し、ルーレットゲームのようなコンテストを開催し、2023年に開始したロイヤルティプログラムへの新規会員登録を促すため、トラックで全米を巡回している。同ブランドのロイヤルティメンバーの約25%は18歳から25歳である。
大学ツアーについてダーシー氏は「当社のもっとも大きい売上拠点を追うような形で動いている」と述べた。大学ツアーは、トゥルーレリジョンがニューヨークファッションウィーク(NYFW)の期間中に開催した最近のニューヨーク市でのポップアップに続くものである。
「こうした戦略的アクティベーションの多くは、ブランドの検討を促し、ジーンズだけではないという認知を広げるためのものだ」とダーシー氏は述べた。
トゥルーレリジョンは9月、NYFWアクティベーションの一環として、ニューヨーク市のセントジョンズ大学に初めて出現した。数百人の学生が、近隣のトゥルーレリジョン店舗で「ラブアイランド(Love Island)」のスターであるシェリー・ビセントに会うために集まり、学生証を提示して割引を受けた。
大学ツアーはUGC創出とZ世代獲得の強力な手段に
「我々は『これはもっと力を入れなければ』と思った」とダーシー氏は語った。10月には、公式大学ツアーの最初の訪問地としてセントジョンズ大学に戻った。次の訪問先はスペルマン大学(11月12日)、ジョージア大学(11月15日)、南カリフォルニア大学(11月29日)である。
大学ツアーは、若者と交流し、新たなファンを獲得し、写真や動画などのユーザー生成コンテンツを促すための人気の方法となっている。
プリティ・リトル・シング(PrettyLittleThing)、ドレイパージェームス(Draper James)、レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)といった小売企業は、Z世代を獲得するため、2024年に初めて大学ツアーを実施した。多くの企業が、この機会を利用して大学生にブランドについて教育し、大学アンバサダープログラムの学生募集を行った。
「ブランドが大学キャンパスなど新しい形で登場することは、PRの観点から非常にワクワクすることだ」と、Winxのアクティベーションなどでブランドと協働するPR会社のハナ・クランストン氏は述べた。
「ブランドが成長し、自分たちのオーディエンスだけでなくターゲット消費者が誰かを見極めるなかで、顧客のいる場所に現れるのはもっとも古典的な方法だ。そして、マーケターたちがインスタグラムのリールを流すだけでなく、大学ツアーによってそれを積極的に実践している姿を見るのは本当に素晴らしいことだ」。
大学ツアー以外でもZ世代向け施策を拡大
大学ツアー以外でも、トゥルーレリジョンはほかのマーケティングキャンペーンでZ世代を意識している。
ヴォンダッチとのコラボレーションを宣伝するため、トゥルーレリジョンは「ラブアイランド」のスターであるビセント、アイリス・ケンダル、ジェレマイア・ブラウン、クラーク・キャラウェイを起用。老舗週刊誌「アトランティック」は「ラブアイランド」の最新シーズンを「Z世代の恋愛を捉えたリアリティ番組」と表現した。
ミレニアル世代向け施策も継続しつつ、幅広い層にアピール
2025年のホリデーシーズンでもZ世代は中心に位置づけられており、トゥルーレリジョンは「Wrapped in True」と名付けたキャンペーンのためにSnapchatを最優先としたアセットを制作する予定である。
「Snapchatの担当者と緊密に協力し、このプラットフォームで何が響くのかを探っている」とダーシー氏は述べた。
同氏は、「トゥルーレリジョンにとってSnapchatとInstagram、TikTokのユーザーの重なりは実はかなり低く、つまり当社がこれまで到達していなかった全く新しいオーディエンスを狙いにいける」という点を挙げた。
とはいえ、これらすべてがトゥルーレリジョンがミレニアル世代を忘れているという意味ではない。
「Wrapped In True」はその中心に5人の女性を据えており、そのなかにはミレニアル世代のシンガーソングライター兼起業家であるシアラも含まれる。
同ブランドはアスリート、スタイリスト、ミュージシャンなどあらゆる年齢層のタレントと引き続き協働している。また、ヴォンダッチとのコラボレーションと同様に、Y2Kノスタルジーにおける自身の役割を活用し続けるとダーシー氏は述べた。
[原文:Behind True Religion’s Gen-Z playbook, from Snapchat to college tours]
Julia Waldow(翻訳、編集:藏西隆介)
