記事のポイント アルギラン氏はポッドキャストで、AI時代に直線的なキャリアは成立せず「課題に挑む姿勢」が重要だと語った。 ターゲット、アルバートソンズ、ウーバーで成長を支えた自身の経験を振り返り、転機を選ぶ基準を明かした。 またリテールメディアは今後“清算”の局面を迎える可能性があるとし、差別化の必要性を強調した。
クリスティ・アルギラン氏は過去10年間、ターゲット(Target)、アルバートソンズ(Albertsons)、そして現在在籍しているウーバー(Uber)などでリテールメディア事業の構築に携わっている。2000年代初頭の店舗内購買者マーケティング戦略の隆盛から、プログラマティックなメディアバイイングとオフサイト広告の機会を基盤とした急速に変化する今日の市場に至るまで、同氏はリテールメディアネットワークの急成長を目撃してきた。アルギラン氏に、自動化された生成AIが主流の世界において彼女のキャリアパスを再現することが可能かと尋ねれば、「ノー」と答えるだろう。業界はもはや直線的な道筋ではなく、猛スピードで進む技術革新により変化についてゆくのは難しくなっていると同氏は述べる。アルギラン氏は最近のDigiday Podcastのエピソードで「今後のキャリアが、私が歩んできたキャリアの軌跡のように進んでいくとは思えない」と語った。このポッドキャストのエピソードでは、アルギラン氏がどのようにしてウーバーのグローバル広告責任者に就任したかという経緯をはじめ、キャリアの転換期をどう判断したか、リテールメディアが近い将来直面するかもしれない清算の時についての見解を共有してくれた。また、このエピソードではほかにも、MSNBCがMS NOWへと名称を変更したニュース、AIスタートアップのパープレキシティ(Perplexity)がGoogle Chrome買収を検討している理由、トレードデスク(The Trade Desk、TTD)の低迷についても取り上げられている。このインタビューは、読みやすさのために若干編集されている。

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ターゲットにおけるリテールメディアの構築

リテールメディアという概念が本格的に登場し始めた時期、私はターゲットに在籍していた。当時、リテーラーは、自社が保有する膨大なファーストパーティデータを活用し、マーケティング判断をくだし始めていた。メディアのプロとして、私にはこれが市場に実際にどれほどの可能性をもたらすかは容易に理解できた。ターゲットでは、メディア測定、ソーシャルゲストエンゲージメントといった分野を統括しており、ターゲットのメディア戦略全般を牽引していた。当時のターゲットメディアネットワーク(Target Media Network)をターゲットにとってのメディア事業に転換するように依頼された。そしてそれを行ったが、その目的は、広告の決定にファーストパーティデータを適用して、ターゲットが実現していたのと同じメリットを市場に提供し、より広範な市場が参加できるようにすることだった。

キャリアの設計図を描く

挑戦したい仕事が存在していると、心のなかでいつも感じている。特定の企業に一生勤めるつもりはない。むしろ、目の前の課題は何なのか、そして自分が何を貢献できるかを考える。何かを解決するのではなく、会社が次の大きな成長への変化に向けて準備を進めるなかで、何をもたらすのかを考える。ターゲットでもアルバートソンズでもそうだった。ウーバーでの取り組みも、自分がやるべきことがほぼ鏡写しのようだ。

動くべきときを見極める

これまでのキャリアでは、数カ月長居し過ぎたと感じることもあれば、「あの時に去って正解だった」と思うこともあった。振り返れば、「完璧なタイミングなんてあるのだろうか? いや、ない。人生は不完全だから」と思う。いつも心に留めているのはスティーブ・ジョブズの言葉で、「つらい月があるなら耐えろ。つらい月はかならずある。でも、もし6カ月間つらさが続いているなら、次に何をすべきか考えるときだ」というもの。私は、自分がそのときに携わっている仕事においてどこにいるのかを本当に理解するための基準としている。[原文:From Target to Uber: Kristi Argyilan reflects on the retail media evolution and its uncertain future]Kimeko McCoy(翻訳・編集:ぬえよしこ)