強豪校のOB達が地元の子ども達に『野球教室』で地域貢献
【お手本が詰まった「選抜四強」高校のノックと走塁】
暖かい日差しの下で始まった野球教室。開講式、ウォーミングアップのあとに行われたのはキャッチボールの指導。基本的なボールの捕り方、投げ方はもちろん、「捕ったら早く投げる」のお手本をOBが披露し、そのために必要なボールを捕る位置と足の運び方を子ども達は教わりました。
外野グループは、ボールを使わずまずは体を左右、半身にしながら真っ直ぐ後ろに走るフライの追い方のドリル。その後は近い距離から投げてもらったフライを後ろに走りながらキャッチ。最後は距離を伸ばしてフライキャッチの練習を行いました。

野球教室は適宜休憩を挟みながら行われましたが、引率した少年野球チームの指導者のなかには休憩時間にOBコーチを捕まえ、行われた練習について熱心に質問をしたり、詳しく教えてもらっている姿も見られました。
最後はバッティング練習。三箇所でのトスバッティングとゲージでのフリーバッティング。ゲージでのバッティングは正面からOBがトスするボールを1人5球打つと交代。時間の許す限り打ち込んでいました。

野球教室はここで終了しましたが、最後は中央学院の現役選手達のキャッチボール、内外野のノックを子ども達が間近で見学することができました。昨年の選抜大会四強校だけあり、その技術の高さ、迫力、キビキビとした声と動きを、子どもも指導者も目を輝かせて見ていました。ランナーを置いたノックでは、スピードを殺さずにサードベースを駆けていく選手を見て「見てごらん。あんなに内側に体を倒しながら走ってるからスピードが落ちないね」と子どもに話しているコーチもいました。子どもや指導者にとってはお手本が詰まった、圧巻のノックとなりました。

【野球教室を開くことが地域貢献に繋がる】

主催したOB会の遠藤一樹さんは、10年以上続けているこの野球教室を開催することになったきっかけや目的をこう話してくれました。
「野球部を地域に根付いた、愛されるチームにしたい、応援されるチームにしたいという思いがまずありました。応援されるためには地域貢献ということが大事な取り組みになると思いましたし、OBの多くが大学、社会人でも野球をやっていましたから、地元の子ども達に野球教室を開くことが地域貢献に繋がるのでは、と考えたことが始まりです」
参加したチームのある指導者は、翌日にこんな感想を話してくれました。
「今年で三回目の参加ですが、子ども達はOBの皆さんから教えてもらったこと、例えばピッチャーだったら足を上げたときのバランスだったり、内野だったらゴロを捕る時の足の運びだったり、毎回何かしら『宿題』をもらって帰っていますし、間近で全国トップクラスの高校の練習も見れたことで、『こうなりたい!』『こうしたい!』という目標もできたようです。昨日の午後からの練習はいつもより元気で気合いが入っていました」
また、こういった地域単位での野球教室は、監督同士の横の繋がりが広がる貴重な場でもあると教えてくれました。
「お父さんが監督をやるチームも多くて、子どもの卒業と同じタイミングで辞められることも多いんです。そうなるとそれまであった監督同士の横の繋がりがなくなってしまう場合もありますから、こういったイベントのお陰で他チームの指導者さんと知り合えてまた新しい横の繋がりができるんです」
子ども達が野球をより頑張るようになり、指導者たちは新しい繋がりもできる。それは野球教室が「地域貢献」に繋がっていることの証でもあります。年に一回行われる中央学院OBによる野球教室は地域の少年野球にとって欠かせないものになっていました。(取材・写真/永松欣也)
