三大駅伝開幕戦・出雲駅伝は2位。駒澤大学・藤田敦史監督のレース後のインタビューです。

――レースを振り返って
「大前提として、やはり篠原(倖太朗、4年)までにアドバンテージを取れなかったことが、チームとしての敗因だと思う。もう次の全日本、やるしかないです」

――1区の入りが非常にスローで、そこから急に展開が動いた。藤田監督が想定していたプランはどうだったか?
「今日は日差しが強かったので、これだと多分誰も先頭には出ないかなって思っていた。1区の展開はある程度予想はできていました」

――駒澤、青山学院、國學院が団子の状態でアンカー勝負になりましたが、レース展開含めてどうだったか?
「各区間で最後に勝ちきれなかった。1区の桑田(駿介、1年)もそうですし、2区の帰山(侑大、3年)も最後のひと伸びがなかった。3区の山川(拓馬、3年)も最後、(青山学院大の)黒田君に置いていかれた。4区の伊藤(蒼唯、3年)も先頭で走れたものの、國學院には詰められている。5区の島子(公佑、2年)も最後は(國學院大の)上原君に離されてしまった。その積み重ねがアンカーに渡った時にビハインドっていう形になってしまったと思っている。アドバンテージではなくて、ビハインドになった時点で、私たちが考えていた『勝てるレース』ではなくなってしまった部分があった。その中でも絶対的なエースとして篠原を最後に置いてたので、彼がなんとかしてくれるという思いはあったが、先月のヨギボーアスレチックスチャレンジカップで13分15秒70で走った疲労が出てきてしまったのかなっていうところですかね」

――今回は、佐藤(圭汰、3年)選手を欠いて臨んだ駅伝でした。「今まで佐藤選手に助けられている分、今回はチームとして佐藤選手を助けよう」というお話もあったと思うが、そういう意味での今大会はどうだったか?
「今年の春からの流れが悪く、そんな中でも今回優勝争いができたということは、チームとして自信にしていいかなと思っています。今までの出雲駅伝で勝てた時は、2区の圭汰でアドバンテージを作って、みんな精神的に楽な状態で走れていた。ただ、今年はそれができないということで。今回の反省でもある『各区間の最後の伸びがなかった』というところが、アンカーの篠原に負担をかけた部分だと思っている。だから次回は、圭汰だけではなくて、篠原とか、そういう選手たちに負担をかけないようにしていきたい。今回のこの悔しさを持って、篠原はまたしっかりやってくれると思うので、次の全日本では戦えるチームは作れると思っている」

――三大駅伝の最初、出雲駅伝では惜しくも優勝を逃しました。悔しい中での駅伝シーズンスタートだと思うが、そのなかでも今回プラスとなった点はあるか?
「やはり、今回初出走でもある、桑田、帰山、島子が、先頭を争うような走りができたこと。そこを経験させられたというのが一番大きな収穫だと思う。特に5区の島子は、かなり重要な場面での先頭争いをしたが、その中で走れた経験が非常に大きい」

――佐藤選手に関して、全日本ではメンバー入りしているが状況的にはどうか?
「その件に関しては、あんまり無理はさせられない。状況を見て判断したいと思っている。今日の出雲から全日本大学駅伝まで期間が短いので、なかなか厳しい部分があるかなと思っています」

――全日本、箱根駅伝、チームとしての展望はどうか?
「今回に関しては、昨年みたいに最初から力があったチームではなく、出雲でまずは勝って、自信を付けて全日本大学駅伝に臨みたかった。そのうえで、全日本も勝って、更に自信を付けて、というステップで考えていた。今回、出雲では負けたものの、先頭争いするところまではできたので、今回感じた自信と悔しさを持って、次の全日本に備えたいと思っています。全日本大学駅伝では連覇がかかっているのでまず勝って。箱根に挑んでいきたいです」