「出れない悔しさある」田中碧、主将代役の可能性に「自分にしか出せないことを出すのも大事」

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 日本代表MF田中碧(リーズ/イングランド)が、15日に行われるFIFAワールドカップ26アジア最終予選第4節オーストラリア代表戦への意気込みを示した。

 主将のMF遠藤航(リヴァプール/イングランド)が体調不良で前日練習を欠席するアクシデントが発生。代役としての出場も予想される田中は、「そういうことはチームスポーツである以上あると思うので、チームの総合力が問われると思います。チームとしてまた違うことをやっていかないといけないと思います」と語り、チャンスを得た場合に向けて「同じことを出すのも大事ですし、その反面、自分にしか出せないことを出すのも大事だと思います」と意気込みを示した。

 最終予選では中国戦の19分間のみの出場にとどまっている。「試合出れないという悔しさは、代表だろうがチームだろうが、あるのは事実です。ここ(代表活動)に来ること、このチームが勝つことが、何よりも大事なことであって、試合出れないことに悔しさはあるものの、チームが勝っていることは大事なことです。自分がスタートで出ようが、途中で出ようが、出れなかろうが、誰かと比べると個人的には捉えていないです。自分がもっと良くなれば、もっとチャンスが増える。試合に出たら出たで、チームが勝つためにやることをやるのが大事ですし、自分が持っているものを出せればと思います」と心境を語りつつ、定位置確保に向けての改善にも言及した。

「個人的には課題もたくさんあります。まだまだやるべきこと、伸びしろたくさんあるなとは、守田(英正)くんとか(遠藤)航くん見てても感じる部分はあります。ただ同じポジションというだけでなく、他のポジションの選手からも感じます。試合に出ている選手だけじゃなく、自分以外の選手からの『こういうところ、すげーな』というのは感じる部分があります。守備の部分も取り方がすごい派手な感じじゃないですけど、逆に自分もトライして行かないといけない。イングランドでやっている分、そこはこれからどんどん良くなっていくことなのかなと思います。自分の伸び代としては楽しみです」

 2021年10月に行われた前回予選のオーストラリア代表戦では先発に抜擢されると、先制点を挙げる活躍で勝利に貢献し、そこから代表の常連に定着した。ただ、「あのとき(3年前の最終予選オーストラリア戦)とは違う感情でやるのは事実」と26歳になった田中は語る。「あの時は右も左も分からないまま、ただガムシャラにやって、助けられてサッカーをしていた部分もあった。今はまた違いますし、そんなに昔のことは考えずに、やるべきことをやれればいいかなと思います」

 対戦するオーストラリア代表は監督交代直後の中国代表戦で3バックを採用し、3−1で逆転勝利を収めていた。情報が少ない相手との対戦でのキーポイントについては、「5枚並んでいる相手は簡単ではない。いかにサイドから攻略するか、中も見せないとサイドも詰まる。基本的にはトランジションの部分がキーになる。押し込んで取られた後、セカンドボールや球際だったりのトランジションでチャンスが生まれることが多いのかなと思います」と予想。

 田中は最後に、日本代表が現在採用する3−4−2−1の手応えについても語っている。

「守備から入るのがキーになっている。前プレスがハマらない時にブロックを作って守るのも選択肢として一つあるのがフォーメーション上の特徴。ただ、その分ボールには強くいけない現象は起こる。ただ、その5−4−1で守れるという時間帯を作ることによって、その中で新たな解決策を見つける時間も多少なりとも稼げる。攻撃に関しても、後ろ5枚で時間は作れる。その中で、どう立ち位置を変えるか、どう相手をはめていくか考える時間ができていると個人的には考えている。相手を見ながら変える力も各々が持っていると思うので、そのなかで適切な答えだったり、色々なトライをピッチ上でできたらと思います」