ルヴァンカップ準決勝の川崎戦の第1戦と第2戦に先発し、安定したプレーを発揮したCBの舞行龍。持ち運びや鋭い縦パスで攻撃の起点になる場面も。(C)SOCCER DIGEST

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 10月13日、アルビレックス新潟はルヴァンカップ準決勝・第2戦で川崎フロンターレと敵地で対戦。第1戦を4−1と圧勝していた新潟は、第2戦も2−0で勝利。2戦合計で6−1とし、クラブ初の決勝進出を決めた。

 小見洋太、太田修介の得点が勝利への重要なポイントだったのは間違いないが、何より特筆すべきは堅牢なディフェンスだろう。川崎との2試合で守備を支えたのは、GKの阿部航斗と、舞行龍ジェームズ、現役大学生(特別指定選手/2025年の入団が内定)の稲村隼翔のCBコンビだ。第1戦は終盤にセットプレーから失点したものの、流れの中では崩されず。第2戦も多くの時間で相手のアタッカー陣を封じ込め、クリーンシートでゲームを終えた。

 守備リーダーの舞行龍は、2度の川崎とのゲームで守備の手応えを掴んだようだ。

「チームとしてコンパクトさを保ち、相手のやりたいことをやらせなかったと思う。良い距離感と、中をしっかりと締めて相手を外に追い出すことを意識して試合に臨みました。また、特に前半はラインの上げ下げも上手くできたと思う。後半は疲れが出て、押し込まれてしまいましたが、みんなの力で粘り強く守って、ゼロに抑えられました」
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 ルヴァンカップ2試合では出色の出来を披露した新潟の守備陣だが、直近のリーグ戦では苦しんでいた。30節の名古屋グランパス戦(0−3)から33節の鹿島アントラーズ戦(0−4)まで4連敗を喫し、計15失点。まさに“崩壊”とも言える状況だった。

 リーグ戦での反省を活かし、守備の再構築を施して臨んだ川崎とのルヴァンカップ準決勝。勝利を収め、クラブ初の決勝進出を決めて掴んだ自信を、再びリーグでの戦いにつなげられるか。舞行龍は次のように意気込む。

「川崎との2試合は、前の選手がパスコースを限定してくれたのもすごく助かったし、(CBでコンビを組んだ)稲村とも何度もやっているから、関係性も良かったと思います。掴んだ手応えを、次の試合につなげたいと思います」

 11月2日のルヴァンカップ決勝の前には、10月18日にJ1第34節の横浜F・マリノス戦がある。現在14位と下位に沈む現状を打破するためにも、そして悲願のタイトル獲得への勢いを得るためにも、勝点3が求められる一戦だ。川崎戦との2試合で見せた好守を再現できれば、リーグ戦5試合ぶりの勝利も見えてくるのだろう。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)