ピンチを抑え、ともにベンチに戻る山形中央・小坂(左)と佐藤のバッテリー(カメラ・有吉 広紀)

写真拡大

◆高校野球◇秋季東北大会 ▽2回戦 一関学院1−3山形中央 (13日・ヨークいわき)

 8強が出そろった。山形中央(山形)はエース左腕の小坂楓(2年)が3安打13奪三振の力投を見せ、一関学院(岩手)に3―1で競り勝った。山形県勢は鶴岡東、日大山形も勝利。各県3校出場となった1996年以降、3校すべてが8強入りしたのは初となった。

 連投の疲れを感じさせない力強い投球で、山形中央・小坂が三振の山を築いた。3回を除いて毎回の13奪三振。9回に1点を失い完封は逃したが、岩手県王者・一関学院に3安打完投勝利だ。「打線が先に点を取ってくれた。それに応えなきゃと投げ切りました」と振り返った。12日の1回戦・大曲工戦は4回53球、この日は110球の熱投も「(試合の)後半に調子が上がってくる。スタミナは自信あります」と力強く話した。

 女房役も攻守で奮闘した。8番・佐藤優気捕手(2年)が、2回2死一、二塁から右中間を破る先制の2点適時三塁打。「イメージした通りのスイングができました」と笑った。1回戦は延長タイブレークの末、大曲工に1―0の辛勝。わずか5安打に終わったチームは試合後、すぐにいわき市内のグラウンドへ移動。打撃練習を行い、打つべき球やコースを改めて徹底した。その成果がすぐに出た形だ。

 守備でも試合中、バッテリーで何度も話し合って調子を確認した。「カットボールのキレが良かったので多めに投げました」と小坂。この日の調子を分析した上で隙を見せなかった。大会中の宿泊先では“女房役”と同部屋で、一緒に過ごす時間も長い。佐藤が「私生活から知っていけば声がけや配球も変わってくる」と話すように、絆が深まればプレーにも好影響を与えていく。

 15日の準々決勝は日大山形との同県対決。県大会準決勝で敗れた相手だ。小坂は「普段通りにしっかり準備して試合をむかえたい」と意欲十分。東北大会で雪辱し、成長を証明する。(有吉 広紀)

 ★一関学院・黒沢璃晏遊撃手(2年、主将として敗れた責任を痛感し)「ヒット数も少なく力不足。(来年の)夏は甲子園に行けるよう全員で体づくりをしていきたい」