私の母は定期的に「スーパーの無料の水」を利用しています。「水道水」と変わらないと思うのですが、何か違いがあるのでしょうか?

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スーパーの一角に設置されている、無料の給水サービスはお得なため、買い物のついでに利用する人も多いかもしれません。多くの場合、指定のボトルを購入すれば、誰でも無料で水を持ち帰ることができます。 しかし、この水はなぜ無料でもらえるのか、また水道水との違いが気になる人もいるでしょう。本記事では、スーパーの無料の水と水道水の違いをご紹介し、無料の理由、利用上の注意点をまとめました。

スーパーの無料の水と水道水の違いを解説

スーパーの無料の水は、主に「RO水」や「アルカリ水」にわけられます。「RO水」は、逆浸透膜を通して水道水の成分とミネラルを除去した純水で、一般的に吸水サービスとして使われているのはこちらです。
「アルカリ水」は、逆浸透膜を使わずにろ過し、電気分解しています。高度活性炭などを使っているケースもあり、ミネラルは残るものの、水道水の成分も残るようです。
一方水道水は、自治体によって処理方法が異なりますが、一般的に表流水(川の表面を流れる水)を取り込んで浄水場でろ過し消毒を行った後、水道管を通して蛇口から供給されます。
なお、店頭で販売されているミネラルウォーターの多くは、地下水を原水として、沈殿、ろ過加熱殺菌などの処理を行ったうえでボトリングしたものを指すようです。
スーパーの無料の水は硬度の成分(カルシウムやマグネシウムの総量)を除去している分、やわらかさを感じられるでしょう。スーパーの無料の水と水道水は、どちらも飲めますが、処理の方法が異なるため味や成分に若干の違いがあるようです。
 

スーパーで提供している水を「無料」で持ち帰れる理由

スーパーで、水を無料で提供する理由は「その店のリピーターを増やすため」だと考えられます。多くの場合、給水サーバー専用のボトルを購入する必要があり、専用ボトル以外には給水できない仕組みになっています。
専用ボトルは繰り返し利用できるため、水のボトルを持参した顧客がついでに買い物をすることを見越して、無料の給水サービスを提供していると考えてよいでしょう。
 

スーパーの無料の水はどれくらいお得なのか?水道水と費用を比較

農林水産省によると、飲料用と調理用だけで1人あたり1日3リットルの水が必要とのことです。1ヶ月を30日として計算すると、1ヶ月に必要な飲料用と調理用の水は、1人あたり約90リットルになります。
仙台市水道局によると、水道水1リットルあたりの値段は0.2円程度とされているため、1ヶ月で18円かかることになります。1人だとそれほど節約効果は高くありませんが、家族の人数によっては節約効果が高くなるでしょう。
仮に家族が4人いた場合、1ヶ月で72円となり年間で864円の水道代が節約できます。
 

スーパーの無料の水を利用する際の注意点

スーパーの無料の水を利用する際の注意点は、以下の通りです。


・早めに使い切る必要がある
・ボトルを清潔にする必要がある
・サーバーのメンテナンスや衛生面に注意する必要がある

スーパーが提供する無料の水は、密封されていないため傷みやすいと考えられます。保存期間が短いため、早めに使い切ることを心がけてください。
また、専用のボトルは繰り返し使うため、ボトル内に汚れが付着する可能性があります。注ぎ口やボトルの中を、こまめに洗浄する必要があるでしょう。
さらにサーバーのメンテナンスが充分でない場合、中の水に雑菌が繁殖している可能性があります。この点は自分で確認できないため、不安を感じるようであれば常温で飲むことを避け、煮沸してから使うとよいかもしれません。
 

スーパーの無料の水は、水道水とは含まれる成分が異なる!経済的だがボトル手入れの手間が必要

スーパーで提供する無料の水は、水道水をろ過、電気分解したものが一般的なようです。硬度な成分が除去されている分、水道水と比べてやわらかい味だと感じる人が多いでしょう。
しかしスーパーで無料の水をもらうには、専用のボトルを購入し使い回す必要があるため、こまめに洗浄しなくてはなりません。また、もらった水は傷みやすいため、早めに使い切るようにしましょう。
スーパーの無料の水は、ボトルの手入れが必要な一方、使い続けることで水道代の節約につながる可能性が高いと考えられます。ご自身の状況に合わせて、適切に利用することが大切です。
 

出典

農林水産省 知ってる?日本の食料事情 家庭備蓄ポータル いまどき!仮定備蓄 大事な水、どうやって備えますか?
仙台市水道局 水道のまめちしき 水道水の値段は1リットルでどのくらい?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー