[9.28 ラ・リーガ第8節 ソシエダ 3-0 バレンシア]

 ラ・リーガは28日、第8節を各地で行い、MF久保建英所属のソシエダがバレンシアを3-0で破った。右ウイングで先発した久保はラ・リーガ通算167試合目の出場となり、MF乾貴士の記録を上回って日本人単独最多記録を樹立。記念すべき一戦で今季2ゴール目となる先制点を挙げ、公式戦7試合ぶりの白星に導いた。

 ソシエダは今季、久保が今季初ゴールを挙げたラ・リーガ第2節のエスパニョール戦(◯1-0)から公式戦6試合3分3敗と勝ちがなく、不調脱却が求められる中での一戦。チームはここ2試合は4-3-1-2、3-5-2とシステムを変えながら戦っていたが、3試合ぶりに4-3-3に戻し、久保は右ウイングでの先発となった。

 久保は25日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)リーグフェーズ第1節ニース戦(△0-0)でベンチ入りしたが出番がなく、これが1週間ぶりの公式戦。すると0-0で迎えた前半8分、鬱憤を晴らすかのようにさっそく結果を出した。

 ソシエダはMFマルティン・スビメンディが左サイドに長いボールを送り、MFアンデル・バレネチェアが受けて縦にスルーパスを送ると、エリア内左に走り込んだMFセルヒオ・ゴメスがグラウンダーのクロスを配球。これに対し、反対サイドから飛び込んだ久保が左足ワンタッチでゴール右隅に突き刺した。

 久保は8月24日のエスパニョール戦以来約1か月ぶりの得点で今季2ゴール目。チームは開幕節ラージョ戦(●1-2)でスビメンディ、第3節・アラベス戦(●1-2)でMFブライス・メンデスが得点を記録していたが、それ以降はリーグ戦4試合連続でゴールがなく、久保が今季初の複数得点者となった。

 その後もボール握ったソシエダは前半32分、久保がS・ゴメスとのワンツーからカットインし、小刻みなステップでゴール正面まで持ち運ぶと、左サイドにパスを配球。これを受けたバレネチェアが右足ダイレクトで狙ったが、これは惜しくも枠を外れ、久保のアシストとはならなかった。

 なおも攻撃の中心を担う久保は前半34分、右に開いてサイドチェンジを受けると、カットインから左足を振り抜く強烈なシュート。これはS・ゴメスに直撃したが、またも惜しいチャンスを作った。するとバレンシアは同37分、久保とマッチアップしていた左サイドバックのDFヘスス・バスケスを下げ、DFティエリ・コレイアを投入した。

 その後はフィジカルで上回るコレイアに対応され、なかなか見せ場を作れなくなった久保。だが、この日はチーム全体のビルドアップが安定しており、バレンシアにも目立ったチャンスを作らせない。

 ソシエダは後半30分、スビメンディのスルーパスにS・ゴメスが抜け出し、クロスボールに途中出場のFWオーリ・オスカールソンが飛び込むも、GKギオルギ・ママルダシュビリに阻まれる。また跳ね返りにも途中出場のMFベニャト・トゥリエンテスが反応したが、振り切ったシュートは大きく枠を外れた。

 それでもソシエダは後半35分、久保を起点としたカウンターからS・ゴメスが長いスルーパスを送り、これにMFブライス・メンデスが抜け出すと、最後は優しいプレゼントパスからオスカールソンが決めて追加点。リードを2点に広げた。

 久保は後半40分、途中交代でピッチを退いたが、勢いに乗ったソシエダは同アディショナルタイム3分にもS・ゴメスのアシストからオスカールソンが決めてダメ押し。最後は大差で公式戦7試合ぶりの白星を収めた。

 なお、久保は今季初のマッチMVPを受賞。これまでのソシエダは久保が得点した2試合に勝利したのみで、他の公式戦7試合では3分4敗と未勝利が続いており、久保のゴールの有無で勝敗が分かれるシーズンとなっている。