夏の八ヶ岳

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【デジタルな仕事でスローな八ヶ岳暮らし・12】「今年の夏は暑い!」と毎年のようにいわれていますが、やはり今年の夏は暑いですね。梅雨明け前から猛暑日がありましたが、梅雨も明けていよいよ夏本番。とんでもなく暑いです。

●八ヶ岳だって夏は暑い! とはいえ東京より5℃以上涼しい



 僕が暮らしているのは八ヶ岳南麓。標高は約1150mです。いくら標高1000mを超えていても夏は暑いです。とはいえ東京よりはかなり涼しい。少なくとも5℃は違います。30℃を超えることはまずないですね。

 時々仕事で東京に出かけることがあるんですが、あまりの暑さにびっくりしました。先日、新宿に出かけた際は駅から5分のコワーキングスペースが目的地でした。ところが、そのたった5分でも汗だくになってしまいました。

 思い出してみれば、僕が東京で営業をしている頃も暑かったんですよね。確か扇子、汗拭きシート、冷感スプレーなんかを持ち歩いていました。でも、今はあの頃よりもさらに暑いんですよね。

 街を歩いている人を見ても、日傘、ハンディ扇風機など暑さ対策をしている人ばかりです。最近は何やら首輪をつけている人も多いですね。多分、冷風が出る仕組みなんでしょう。でも暑さ対策に冷却デバイスを持ち歩かないと、街も歩けないってちょっと異常ですよね。

 8月も東京に出かける用事があるんですが、どのくらい暑いものやら。ちょっとビクビクしています。

●標高1000mで暑さが和らぐ 森は自然のエアコンです



 八ヶ岳周辺での夏の暑さは標高1000mが一つの境目です。小淵沢などの駅があるエリアは、だいたい標高800mくらい。小淵沢駅周辺では、ほとんどの家がエアコンをつけています。

 標高1000mを超えると、エアコンがない家も増えてきます。清里や原村など、標高1400m近いエリアではほとんどの家にエアコンはありません。特に森の中は快適です。森は自然のエアコンですね。

 木陰が夏の日差しを防いでくれますし、コンクリートが少ないので地面の照り返しも厳しくありません。森の中に入るとさらに2〜3℃涼しくなります。しかも八ヶ岳は湿度も低いのが特徴です。気温が30℃近くまで上がっても、森の木陰で風通しを良くすればかなり快適です。

●工夫をすれば涼しい! 八ヶ岳の夏を涼しく過ごす方法



 いくら涼しい八ヶ岳とはいえ、30℃近くまで暑くなります。最近は暑さ対策が必要になってきました。僕の家にはエアコンがないので、日差しを防いだり風通しをよくしたり工夫しています。その中で効果があったものをいくつか紹介しますね。

●日差しを防ぐ



 なんといっても、これが一番重要です。太陽の力はすごいもの。冬の太陽はありがたいですが、夏はちょっと日が入るだけで暑くなります。まずは、いかに日差しを防ぐかが室温を左右します。

 まず、テラスに出るための一番大きな窓は日中もカーテンを閉めておくことにしました。冬の寒さ対策で断熱カーテンに変えているので、日差しは完全にシャットアウト。これはすごく効果があります。他の窓から光が入るので、明るさの面でも特に困ることはありません。

 光を入れるために開けている窓には、スダレを付けました。古くから日本の家で使っている道具ですね。これも効果的でした。風は通すけれど日差しは防ぐ。シンプルだけど夏を涼しくしてくれる便利グッズですね。値段が安いのもうれしいです。

●風通しを良くする



 これも大事ですね。窓を開けておくのはもちろんですが、扇風機やサーキュレーターを使って空気の流れを作るようにしています。特に朝晩の冷えた空気をたっぷり室内に取り込むことが大事です。朝は20℃近くまで気温が下がるので夜の間窓を開けておけば、朝には室内は冷んやりしています。

 午後からは気温が上がるので場合によっては日差しを防ぐためにカーテンを閉めて、でも窓は開けておく、という感じです。僕の家は玄関にも網戸がついているので、玄関のドアも開けておきます。天井のシーリングファンも回して、とにかく空気が流れるようにすることで涼しくします。

●涼しい時間に活動する



 八ヶ岳とはいえ日中、特に午後は気温が上がります。一方で、朝晩は涼しいので快適な時間に活動するようにします。幸い僕はフリーランスで時間が比較的自由にできます。そこで、草刈りなど外での活動は早朝。コンテンツ制作など、デスクワークは夜にするようにしています。

 暑い日中は読書や学習動画の視聴など、インプットを中心にしています。特に急ぎの予定がなければ、シエスタ(昼寝)をすることも。快適な時間に活動するようにすれば、暑い夏でも涼しく過ごせますからね。

●暑いときは無理をしない



 そうはいっても日中に会議があるときは、暑い時間でも活動しなくてはなりません。そんなときは卓上冷風機を使います。これは水の気化熱を利用して冷風を作る機械で、3000円程度で売っているものです。部屋全体を冷やすことはできませんが、自分の体を冷やすことができます。

 それでもいつまでエアコンなしで乗り切れるか分かりません。毎年夏は暑くなっていますからね。八ヶ岳でも30℃を超える日が続くようになるかもしれません。そんなときは無理せず、冷房のあるところへ出かけようと思っています。

 30℃を超えるような暑さになるのは、せいぜい夏の中の数日。しかも午後の数時間です。だったら本当に暑い日はコワーキングスペースや図書館で過ごせばいいわけです。無理せず、暑さを凌いで暮らしていく。そんな自然体な暮らしが、八ヶ岳には似合っているんだと思っています。

●1年間ありがとうございました! これからもよろしくお願いします



 これまで1年間、リアルな八ヶ岳暮らしをお届けしてきました。この連載はひとまず今回で区切りを迎えます。今後も内容を改めながら、地方移住・地域での起業・ワーケーションなど新しい働き方・暮らし方に関する情報をお伝えしていく予定です。引き続き、お付き合いのほどお願いいたします!(TMR・玉利裕重)