世界中に影響する大規模障害を引き起こしたCrowdStrikeのパロディサイト「ClownStrike」へデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく削除要請が送られましたが、サイトの管理者はこれを拒否し、削除要請を出すことそのものに問題があると指摘しました。

Parody site ClownStrike refused to bow to CrowdStrike’s bogus DMCA takedown | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2024/08/parody-site-clownstrike-refused-to-bow-to-crowdstrikes-bogus-dmca-takedown/

ClownStrikeにアクセスすると、障害の原因となった製品「Falcon」とCrowdStrikeのロゴが表示され、このロゴが徐々におどけたピエロと「ClownStrike」の文字に変化する様子を見ることができます。



サイトにCrowdStrikeのロゴが使われていたためか、公開から1週間後に、サイトをホストしていたCloudflare経由でサイトの管理者宛にDMCA削除要請が送られてきたとのことです。発信者はコンサルタント企業のCorporation Service Company(CSC)でした。

世界中で大規模障害を起こしたCrowdStrikeをからかったパロディサイト「ClownStrike」にDMCA通知が送られる - GIGAZINE



ClownStrikeを管理するデヴィッド・シンク氏は「自分のサイトは明らかにパロディであり、CrowdStrikeのロゴを使用していようが、フェアユースとして許可されるはずです。CrowdStrikeにはパロディサイトを削除することよりも今すぐにやるべき重要なことがあるのでは?」と主張しました。

この件に関し、CrowdStrikeは「パロディサイトへの削除要請は意図するものではなかった」とコメントしています。CrowdStrikeの声明によると、同社は障害発生後に乱立した詐欺サイト撲滅のために2週間で500件以上の削除要請を行っていて、顧客を詐欺などの犯罪から保護しようとしているとのこと。こうした取り組みの中で、誤ってパロディサイトへ削除要請を行ってしまう場合もあるとCrowdStrikeは説明しました。

Cloudflareに異議申し立てを行ったにもかかわらずCloudflareから返信がなかったとして、センク氏はClownStrikeのホスティングプロバイダをCloudflareから別のものへと変えたと述べていますが、Cloudflareは「センク氏の異議申し立てはこちらに届いていない」と語り、もしCloudflareに戻ってきて、正当な反論を行えば、コンテンツを削除する措置はとらないと案内しています。

センク氏は「Cloudflareに戻る予定はありません。現状、DMCAは大企業による『いじめ』に使われることが多くあります。Cloudflareは、不正使用報告システムを改良し、異議申し立てを正しく受信して、ユーザーが異議申し立ての状況を追跡できるウェブポータルを構築したり、偽の削除要請を送信したものにペナルティを与えたりしてはどうでしょうか」とコメント。さらに「最終的には、CrowdStrikeがブログで公式に謝罪してくれれば100%満足です。そして、CrowdStrikeのCEOであるジョージ・カーツが、ピエロの格好をしながら謝罪の言葉を録音してくれたらもっといいですね」と話しました。