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金融庁が公表した「NISA口座の利用状況調査」によると、2024年3月末時点のNISA口座数は2322万7848口座で、2023年12月末から約186万口座も増加しました。そのようななか、SNSフォロワー17万人超えの投資家・配当太郎さんは「<新NISA>を活用して配当株投資をすれば、月20万円の配当金を得ることができる」と話します。そこで今回は、配当さんの著書『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』から「増配の恩恵」について解説します。

【図】配当金の大きさによる増配の効果の違い。同じ10%の増配でも…

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増配のインパクトは投資額が増えるほど大きくなる

配当株投資を始めた当初は、増配の恩恵を小さく感じるかもしれません。

年間3万円の配当金を得られるようになり、仮に10%の増配があったとしても、増加額は3000円です。

この金額をどう考えるかには、個人差があると思いますが、配当株投資で大事なのは、増配の効果が大きくなるまで、諦めずに株を買って、持ち続けることです。

受け取る配当金が大きくなるにつれて、増配の効果も大きくなり、同じ10%の増配でも、配当金が100万円ならば10万円、200万円ならば20万円になります(図参照)。

この10万円の増配分を自己資金の新規投入だけで賄おうとすると、配当利回り3%の銘柄でも300万円以上のお金が必要になりますから、企業による増配がいかに威力が大きく、いかに魅力的であるか……が理解できると思います。

増配の恩恵を受ける「マスト」の条件

こうした増配の恩恵を享受するためには、持ち株数を増やしていくことが「マスト」の条件となります。

基本的に、株主還元に積極的な企業は増配する傾向にありますから、多少の凸凹はありながらも、業績が安定していて、株主に積極的に還元する企業の株を地道に買い進めていけば、投資額の増加に伴って、増配の恩恵を実感できる局面がやってきます。


『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(著:配当太郎/クロスメディア・パブリッシング)

その局面は、50万円→5万円、100万円→10万円など、それぞれの取り組み方によって異なりますが、ある程度まで配当金ダルマが育ってくれば、わずかな増配であっても、大きなインパクトを生み出します。

配当株投資で大事なのは、「どの局面になれば、自分は増配のインパクトを実感できるのか?」を具体的にイメージして、そこを目指して一歩一歩、着実に前を向いて歩み続けることです。

新NISAの非課税というメリットを活かしながら、そうした局面が来る日まで、コツコツと着実に持ち株数を増やしていけば、どこかのタイミングで、「あれ! こんな金額になっているな」と思わず頬が緩む瞬間が待っているのです。

増配額の「小ささ」を甘く見てはいけない!

注目4業種の1株配の増加を見ると、三菱UFJフィナンシャル・グループが、「16円」→「41円」、NTTが「1.7円」→1株配「5円」など、小さな金額が並んでいるため、株式投資の経験がない人ほど、「一度にもっと増えないものかな」と考えてしまう傾向があるようです。

増配の「小さな金額」に惑わされてしまったのでは、配当株投資の本質を見誤ることになります。

大切なのは、増配額ではなく、「増配率」で考えることです。

「三菱UFJフィナンシャル・グループ」のケースで、増配率の意味を紹介します。

増配の威力

三菱UFJの1株配は、2023年3月期が「32円」で、翌年の2024年3月には「41円」となっています。

増配の威力を理解していなければ、「32円が41円になったところで、たいした金額ではないな」と思ってしまうのではないでしょうか?

この金額を増配率で計算してみると、実に「28%」という驚異的な数字であることがわかります。

「28%」という増配率の凄さは、サラリーマンの年収で考えてみれば、そのリアリティが理解できます。

現在の年収が500万円の人が、会社の社長から、「あなたは業績向上に貢献したから、年収を28%アップさせる」といわれたら、翌年の年収は640万円にハネ上がる……ということです。

現実的には30%近くも年収が上がるサラリーマンは滅多にいませんから、増配率を自分の生活に落とし込んで考えれば、そのインパクトの大きさがリアルに理解できると思います。

※本稿は、『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。