韓国サッカー界を揺るがす騒動に苦言を対してパク・チソン氏。(C)Getty Images

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 韓国サッカー界の英雄も苦言を呈した。

 今年2月にユルゲン・クリンスマン監督を解任して以降、約5か月間に渡って空席となっていた韓国代表の新監督がようやく決定した。韓国サッカー協会(KFA)は7月8日、蔚山現代を率いていたホン・ミョンボの招聘を発表。2014年以来、10年ぶりの再任となった。

 ただ、蔚山のファンは、指揮官を引き抜いたKFAや途中で放り投げる形でチームを去る決断をしたホン・ミョンボ監督に激怒している。

 さらに、新監督を選定する戦力強化委員会の一員だった元韓国代表のパク・チュホ氏が、選考過程が不透明で、外国人監督が候補に挙がっていたにもかかわらず、最初から韓国人監督ありきだったと内情を暴露。KFAが猛反論したこの告発を受けて、イ・ヨンピョ氏やイ・チョンス氏ら代表のOBたちは勇気ある告発をしたパク・チュホ氏を擁護し、KFAを非難している。

 そんななか、新たに声を挙げたのが、マンチェスター・ユナイテッドなどで活躍したパク・チソン氏だ。韓国メディア『スポータルコリア』によれば、こう懸念を示している

「最初に思い浮かぶのは悲しみだ。私は韓国でサッカーを始め、今もサッカーの世界にいるが、これが我々にできるすべてだと思う。最も悲しく、壊滅的なのは、何に対しても答えがないことだ。私は自由になれないことも、多くの選手が心を痛め、いつまでこんなことが続くのかと疑問に思うだろうことも知っている」
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 現在は全北現代のテクニカルディレクターを務める43歳は、「この問題は非常に大きく、状況を変えられるかどうかは予測できない」と発言を続けた。

「監督は任命されたが、これを覆すかどうかはKFAとホン監督の決定にかかっている。現在の雰囲気で簡単に前に進められるのか?心配だ」

 KFAのチョン・モンギュ会長の辞任を求める国民の声については、「かなり難しい部分であるのは事実だ。規定がない状況で、KFA会長にどれだけ外部からの圧力をかけられるか、降りるべきか降りるべきでないかは分からない」と述べている。

「結局、会長が自分で選択しなければならない。会長が辞任すると言った時は、別の選択肢があるかどうか、KFAの見解を再構築し、信頼を築くことを優先すべきであるのは明らかだ」
 
 韓国のスーパーレジェンドは、「パク・チソンという元サッカー選手として、韓国サッカーに責任があると思う。メディアと向き合わなければならないのに何も言わないのは、韓国サッカーを除外しているのと同じだ。私が言ったからといって何かが変わるとは期待していない。それでも、自分の考えを伝えなければならないと思った」と思いを述べた。

 また、内部告発後、KFAから法的措置も辞さないと圧力を受けているパク・チョホ氏には、こう同情をしている。

「私が一番感じたのは、(パク・チュホが)会議中ずっと、かなりの無力感を感じていたのではないかということだ。手続き通りに物事が進まなかったことに対して、誰がそこにいたとしても、自分がそこにいる必要がなかったという無力感を感じていたのではないかと思った。結果的に、その部分が一番残念だった」
 
 そして、「システムがなければ、入ってくる良い人材を生かすことができず、その人材が犠牲にならなければならない結果になる。非常に残念だ」と、KFAの体制を非難したパク・チソン氏。その思いは、果たして協会幹部に届くだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部