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厚生労働省が行った「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、4人に1人が「食習慣や運動習慣を改善するつもりはない」と答えたそう。そのようななか、「これからは<生活習慣>だけではなく、内臓を鍛え巡らせる<臓活習慣>を!」と話すのは、中医学博士の尹生花(いん・せいか)先生。そこで今回は、尹先生の最新刊『臓活習慣 - こころとからだを巡らせる! -』から、すぐに取り入れられる臓活習慣を一部ご紹介します。

【書影】中医学5000年の実績とエビデンスを、日々の生活に取り入れる。尹生花『臓活習慣 - こころとからだを巡らせる! -』

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「かかと」を意識した歩き方

みなさんは、通勤時、あるいは散歩をするときなど、自分の「かかと」を意識して歩いていますか。

「そんなこと、意識したことがない」のであれば、わたしからすると「もったいない!」のひと言です。

なぜなら、かかとは五臓の「腎(じん)」と、深いかかわりがある場所。

「腎」は、発育や成長、生殖といった、人間の根本的な活動に必要なエネルギーを蓄える働きを持ちますから、ふだんから薄毛や白髪、物忘れ、耳鳴り、頻尿やむくみといった症状に悩まされている人は、ぜひ、労(いた)わってほしい臓なのです。

なかでも、「腎」といえば、多くの女性が悩んでいるむくみや冷え、そして婦人科系の不調に直結します。

ですからとくに女性は、かかとを意識した歩き方を、ぜひ、習慣化してほしいと思います。

「一駅分ウォーキング」

逆に言うと、「かかとが痛い」という悩みをお持ちの女性は、婦人科系が弱い、またはなんらかの疾患があるといった可能性が高いかもしれません。

たとえば、階段を上るときは、足の裏側全体をステップにのせるイメージで、かかとから、踏みしめるようにしてみてください。

もちろん、歩くときも、かかとをポンと地面につけて、刺激を与えるよう、意識しましょう。

この歩き方で「一駅分ウォーキング」をすれば、一石二鳥になりますよ。

「かかと」を踏みしめながら
ウォーキングすることが
「腎」を鍛える習慣に

臓活では「**し過ぎ」に注意する

食べ過ぎる、飲み過ぎる、見過ぎる、歩き過ぎる。また、SNSから刺激を受け過ぎる、情報を浴び過ぎる……。

これらの「**し過ぎ」は、どれも五臓に負担をかけているのです。じつは、「**し過ぎ」はすべて、東洋医学でいう「五労(ごろう)」に当たります。


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「五労」とは簡単に言うと、人体を疲労させる五つのもの。

東洋医学では、「五労」も「五臓」それぞれの働きと対応していると考えます。

簡単に説明しますと、五臓の肝(かん)は「歩き過ぎ」、心(しん)は「視(み)過ぎ」、脾(ひ)は「座りっぱなし」、肺(はい)は「寝過ぎ、寝たきり」、腎は「立ちっぱなし」に、それぞれ当てはまります。

たとえばSNSなどを見過ぎる行為は「心」の臓を弱らせるのですが、それは、「心」の五労が「視過ぎ」に当たるため。

つまり、この「五労」を頭に入れておけば、ふだんの生活において、どんな「**し過ぎ」に意識を向けるか、注意すればいいのか、わかるのです。

ポジティブな「**し過ぎ」

歩き過ぎ、見過ぎといった、わかりやすい「**し過ぎ」はもちろん、じつは喜び過ぎる、はしゃぎ過ぎるといった一見ポジティブな行為も、五臓の「心」に負担をかけてしまいます。

臓活においては、あらゆる「**し過ぎ」に留意していきましょう。

五臓に対応する「五労」
これを知識として
覚えておきましょう

※本稿は、『臓活習慣 - こころとからだを巡らせる! -』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。